東京電力は26日、電気料金の本格引き上げを今秋をめどに実施する方針を固めた。原油価格の高騰と柏崎刈羽原子力発電所の全面停止による財務悪化が理由。原価をすべて見直して新料金を定める本格引き上げは、第2次石油危機の影響を受けた80年4月以来、28年ぶりとなる。
値上げ幅などの詳細は、原油価格などを踏まえて検討する。原油価格高騰が続くと、大幅な値上げになる可能性もある。
電気料金は燃料価格の上昇分を半年後の電気料金に、自動的に転嫁できる燃料費調整制度を導入している。ただ、自動的に転嫁できるのは基準燃料価格の1・5倍まで。同制度での値上げでは、燃料価格の高騰を電力料金に転嫁しきれないと判断した。料金基準そのものを改定し、本格値上げに踏み切る。
東電は、新潟県中越沖地震により柏崎刈羽原子力発電所が昨年7月から全面停止し、不足電力を火力発電所で賄っており、燃料費の負担増は年数千億〜1兆円近くにのぼる。