全国に42ある国立大学付属病院の病院長会議は25日、共通のインターネット会議システム(UMICS)の運用を始めたと発表した。複数の医療機関による合同研修や会議などを充実させるとともにコスト削減も図りたい考え。
UMICSは、ネットワークサービス「エイネット」(東京都千代田区)のシステムで、サーバーと専用ソフトウエアからなる。東京大学医学部付属病院内にサーバー1台を設置。各病院はソフトを入れ、ウエブカメラとマイクを揃えれば利用できる。ライセンス利用数を限定せず、必要に応じて大人数の会議から、1対1の情報交換まで柔軟に使えるという。
IT化が遅れている分野の一つとされる医療。病院長会議の合意形成に2年かかったという。大学病院医療情報ネットワーク研究センターの木内貴弘センター長は「ようやく」の思いをにじませ、「UMICSは汎用システムのままで、病院向けのカスタマイズはしていないが、42病院が共通のシステムを使うことで、ネット会議を普及させたい」と話す。多くの大学病院が使うようになれば、会議のために移動する必要がなくなり、導入コストはすぐに回収できる見込みという。【岡礼子】
2008年6月26日