支援とビジネスの融合例
ある農業商社と、これまたある肥料を生産している会社のマッチングを成功させました。今後の食料需要の増加を考えると、肥料の需要が付随的に伸びるのは、簡単に予測できるのですが、私がこの二つの会社をマッチングさせた理由は、実は他にもあります。
この肥料を生産している会社というのは、品種ではなく製造方法に依拠したお米のブランドの開発に、初めて成功した会社でもあります。そのお米のブランド、「雷神光」というのですが、まだ限定的にしか販売しておりませんので、あまり耳にしたことは無いかもしれません。
六本木のミッドタウンにお店が出ておりますので、ご興味があれば一度試食なされてもいいと思います。
この製造方法を「ながいき農法」と名づけているのですが、これを支えている技術の一つが肥料にあります。私は、この農法から出来た農作物にも着目はしていますが、実はこの肥料のほうにも相当注目しています。
一方、農業商社のほうは、生産から検閲、販売までを一括して実施する独特の生産管理と品質管理の技術を開発しています。当然ですが、肥料も開発しており、「ながいき農法」とコラボレーションをさせると、相当面白い肥料が出来るはずだという原材料も保有しています。
私は、ここで開発した肥料や、付随する生産管理や品質管理のスキルを、パッケージとして途上国に持っていきたいのです。この肥料は、現地の原材料との融合も可能であり、現地のニーズに従った新たな肥料ブランドを開発することも、大いにやっていきたいと考えています。
途上国もピンきりではありますが、生産面での技術よりも、むしろ品質管理や生産管理、そしてマーケティングといったスキルを必要としている段階にある国も数多く存在します。そこのプライベートセクターの中から、有望な企業、或いは組織をピックアップし、段階的に必要スキルを委譲していく。必要であれば、ODAとも連携していく・・・。
日本は食料輸入の大国ですから、毎月相当量の食料が海外から輸入されてきますが、一方で日本の厳しい食料基準、規格に対応できず差し戻しにあっている食料も大量に存在します。厚生労働省がホームページで公表していますから、一度ご覧になって頂ければと思いますが、その額は天文学的な数値にいたっています。
もし、日本の企業の品質管理や生産管理のスキルの委譲が成功すれば、日本は安定的な食糧生産地を確保することになりますし、また実はそれが途上国の経済的自立と日本との間の継続的なウィンウィン関係実現の入り口にもなるはずです。
そして当然ですが、農業には良質の肥料が必要です。現地の資源と優れた肥料製造技術を融合させて、地産地消型のリサイクルシステムの確立に貢献させるだけでなく、生産量によっては、諸外国への輸出も視野に入れることも可能でしょう。それは、途上国の輸出貢献へとつながり、そして食料高騰の抑えの役割も果たすでしょう。
その肥料の生産会社とは、そこまでを視野に入れた戦略構築の準備に取り掛かっています。そういう支援=ビジネスというモデルがあってもいいと思っています。(坂井)
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