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2008年6月24日 (火)

企業とODA

書きたいことが山ほどあるときほど、なかなか書けなかったりします。食料の話、肥料の話、エネルギーの話、そして企業とODAのパートナーシップの話と、書きたいことは、ほんとに山ほどあるんですが。全部書くわけにもいかないので、まずは、企業とODAのパートナーシップの話でも。

世銀やUNDPをはじめとした国際機関や米州開発銀行など、外国のドナー機関が企業をはじめとしたプライベートセクターとのパートナーシップを深めつつあるのは、前にも話した通りなのですが、いよいよJICAをはじめとした日本の途上国支援機関も本格的にそのサービスをはじめます。

ODAは本来、公益性と透明性を確保しないといけませんから、特定の民間企業のために資金を活用することはあり得ませんし、今後もあってはいけないのは当然です。しかし、「ODAと民間企業との連携」は、特定の民間企業のためのプログラムでない限りは、決して公益性を損ねるものではありませんし、むしろ途上国の成長の継続性と自立性を実現するのであれば、民間企業との提携、ビジネスというツールの活用は、必要不可欠のものです。

そしてJICAをはじめとした日本の途上国支援実施機関が本格的にそのサービスに乗り出すのは、本当にいいニュースだと思っています。

連携の方法が具体的に決定するのは、恐らく今年の秋、或いは来年の初めまでかかってしまうかもしれませんが、物申す立場として、そして提言者として私も積極的にその議論に関わらせていただいています。

また、今年の秋や冬でのサービス開始を見越して、ある食品大手との連携話を進めてきたのですが、先週をもってようやく正式にその企業との連携が決定しました。会長のゴーサインが出たとのことですので、事業を推進してきた甲斐があるというものです。これも良いニュースです。

それとの絡みで、私が特に強い思いで進めないといけないと思っていること。それは、民間セクターと開発業界の更なる融合を具体的なかたちとして示していくことです。

ある民間財団で平和構築案件を準備しているのは、前にも書いたとおりですが、これも平和構築というフィールドとビジネスというツールのいわば「融合」を目指したものです。

そしてもう一つ私が狙っていること。それは、企業と開発コンサルタント業界のマッチング機会の創出です。

企業にも様々ありますが、業界によっては途上国での市場創出や途上国との連携が差し迫った課題になっているところがあります。しかし、多くの企業は、途上国との深い関係は持っていませんし、コネクションも有しておりません。

JETROという政府機関がありますが、問題は、企業がJETROから情報をもらったとしても、具体的な活動までには至らないという点が指摘できます。日本の企業の多くは、事業可否が定かでない場所には金銭と時間をかけたがらないのです。かといって、商社から情報を頂くのであれば、相当な資金が必要です。つまり、JETROであり商社であれ、双方からの情報に頼り続けるのであれば、初期費用のリスクを抱えるだけの覚悟か体力が必要になるわけです。

一方、開発コンサルタントの多くは、JETROや商社が保有するに匹敵するだけの情報とコネクションを有していても、JICA等のドナー機関委託の事業以外での活用使途を見出せない状況にあります。はっきりと言いますが、多くの開発コンサルタントさんは、自身が保有しているものの価値を見出せないでいますし、そして、それ以上に、その真価を発揮するだけのバイタリティーを持っているところが少ないのです。そのままでは、結局、既存のODA実施ドナーの「下請け機関」止まりになってしまうでしょう。

すでに取り組まないといけない事業が具体的に目の前にぶらさがっている状態の私ですが、今一番取り組んでみたいと考えているのは、実はこの方面での事業、つまり企業と開発コンサルタントのマッチングとその周辺事業です。

アイデアは山ほどありますし、アクターも着々とそろえてきました。

企業からの提案をODAにするルートを受け付け、それを開発コンサルタントに受注させるのは、これまでのODAスキームと比べれば画期的ですが、それだけでは本当の意味での企業と開発業界の連携はあり得ません。

企業が開発業界のネットワークとスキルを保有し、開発業界がビジネスのスキルと可能性を見出すには、更なる梃入れが必要です。私がやろうとしているのは、まさにその部分であるといえます。

詳しい話は、是非こちらのブログで書きたいと思っています。ご興味があれば見てください。

http://ascent-sn.com/doto-blog/ (坂井)

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