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2008年6月23日 (月)

地方再生はグローバル化で

今日の日経28面では、石川県の食品機器メーカーが海外市場の開拓に本腰を入れているという記事があります。
これは、世界的な日本食ブームで、回転寿司のコンベヤーとか豆腐製造器などの食品関連機器の需要も増大。輸出比率がどんどん高まっているという話です。
グッドニュースですね。
昨今は、地方格差が大きな問題となっていて、その元凶は経済のグローバル化だとする意見も多いようですが、それが間違いであることを示しているニュースでもあります。

そもそも地方格差が生まれるのは、グローバル化が原因ではありません。
現象としてはそのような面もありますが、地方であれ都市であれ、グローバル化に対応できない地域が衰退していくのであって、グローバル化が進めば、それに対応した地域は発展します。

日本で言えば、北海道のニセコなどが有名な例でしょう。

一方、東京などは、ドメスティックな視点では一人勝ち状態に見えますが、グローバル化に十分対応できてるとも思えないので、世界的に見れば凋落していっても不思議ではありません。

10年後か20年後、東京にある外資系金融会社がすべて、香港かシンガポールあたりに移転して、グローバル化に成功した日本企業も本社を東京から香港かロンドンあたりに移転して、丸の内あたりはガラガラ。流行ってるのは秋葉原だけ。
一方、ニセコは、裕福な中国人やロシア人の高級リゾートになって、高級ホテルやマンションがバンバン建っていて、和食の高級店もニセコに集結。カニなどの高級食材の水揚げ基地として根室の景気も絶好調。
そんな事態になってもおかしくありません。

地方行政やNPOなど、多くの人が地方再生に取り組んでいますが、グローバル化を視野に入れた施策でなければ、有効打とはならないでしょう。

山形県では、日本が世界に誇るデザイナー・奥山清行氏(山形出身)を代表に据えて、山形から世界に通用するデザイン産業を育成するための「山形カロッツェリア」を発足させています。

地方再生のためには、道路よりもこういうところに投資した方が長期的には有効でしょう。

東京を飛び越して世界を見る視点が必要です。(竹井)

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コメント

あたしはついこないだまで札幌に住んでました。

札幌の建築会社と不動産会社はもっぱら、ニセコをうらやんでました。

じゃあ、行けば?
と言うと

英吾ができないと仕事ができないんだそうです

あるいは、現地には、怪しい、仲介コンサルの外人(笑)がいっぱい入り込んでて、法外な仲介コンサル料をとってたり、トラブルあったり、の話も聞きました。

社会貢献でもビジネスでも
世界とつながるには、日本人の英語力(しかもビジネスがこなせるレベル)が障害になってるとは言えるんじゃないでしょうか。

投稿 大浦 | 2008年6月24日 (火) 09時22分

英語は大事ですねえ。

実はですねえ、個人的な危機感もそこにあるのです。

あと10年もしたら、僕は英語ができないという理由だけで、
ダメな人の烙印を押されてしまう。
そんなことが現実になると思ってます(泣)

地方再生は英語教育から、
といっても過言じゃないかもしれませんね。

投稿 竹井善昭 | 2008年6月24日 (火) 10時37分

こんばんは。

23日(月)の日経の記事、私も読みました。実は仕事でお付き合いのある会社(S社)も掲載されていたので、関心を持って読んだのですが、まさか竹井さんが記事にされるとは思いませんでした。

日経の記事には紹介されていませんでしたが、S社の技術力はとても高く、グローバルな競争力のある企業だと思います。エンジニアをやっていますと、このような地方の中小企業で驚くような技術力をもつ企業とお付き合いすることが少なくありません。

しかし地方の中小企業の場合、技術力があってもグローバルな展開を広げるための人材やチャネルがないことがネックになることもあるようです。こういった場合はコンサルに頼ることになるのでしょうか。私はそこまで知る由がありません。

ところで奥山直行氏は6月4日に引き続き、今日の日経朝刊(P.15)でも取り上げられていました。エンジニアとして、非常にあこがれています。最近は著作活動にも力を入れているようです。近著、「人生を決めた15分 創造の1/10000」を今日、買ってきました。氏の薫陶を受けようと思っています。

また地方再生というと、支持率93.4%を誇る東国原宮崎県知事の活躍にも目を見張るものがあります。近著、「知事の世界」を読みましたが、知事の政治に対する考え方、地方再生への道が本音で語られていて、非常に感心しました。新書で手軽な値段なので買いの1冊だと思います。

コメントなのに、長々と書いてしまいすみませんでした。次の記事を楽しみにしています。

投稿 akucchan | 2008年6月25日 (水) 22時04分

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