【ワシントン=梅原季哉】米連邦最高裁は25日、死刑の適用範囲が争点になった裁判で、児童レイプのような非道な犯罪であっても、被害者が死んでいない事件で死刑を適用する法律は、残酷な刑罰を禁じた合衆国憲法に違反し無効だ、とする判断を示した。
ルイジアナ州で98年、養子の娘(当時8)をレイプした罪で有罪判決を受け量刑も確定した死刑囚が、連邦最高裁に量刑不当を訴えていた。同最高裁は5対4の小差で、13歳未満へのレイプに死刑が適用できるとしたルイジアナ州法の規定は違憲とした。
全米で死刑制度は連邦政府と36州で維持されているが、児童レイプへの死刑適用を可能にする規定は、ルイジアナなど6州だけ。
だが、大統領選で民主党の指名候補の座を確実にしているオバマ上院議員は同日、「私は賛成できない。小さな子供をレイプすることは凶悪な犯罪だ」と最高裁の判断を批判した。