高崎市立高崎経済大学の女子学生自殺をめぐり懲戒免職になった准教授(39)の不服申し立てを審理していた高崎市等公平委員会は、処分を停職6月に修正する裁決書を25日、関係者に送付した。
裁決では、准教授が課した宿題は学生の能力を超えるもので、留年という言葉で提出を求めるのはアカデミック・ハラスメントに当たり、指導に不適切または配慮に欠けるところがあったと認定。しかし、免職は重きに失すると結論づけた。
准教授が学生に送信した「宿題を提出しなければ留年」などの内容のメールについては、自殺の直接の誘因かどうか判断を示さなかった。
裁決書を受け取った准教授は「大学に戻れることを率直に喜びたい。公平委員会の指摘・判断に関しては真摯(しんし)に受け止めるべき点は受け止めたい」と語った。
同大学は吉田俊幸学長らが記者会見。「大学では指導教員の権限が極めて強く、このような事件を二度と起こしてはならないという思いから(教壇に立たないような)処分を決めた。事件後、数々の改革を実施しており、准教授にも加わってもらい、よい方向に持っていきたい」と語った。
一方、女子学生の父親(50)は「准教授の教え方は全員が研究者にならないといけないというような感じを持った。それを強迫観念に感じていたと思う。これを一つの区切りにしたい」と話した。【増田勝彦】
毎日新聞 2008年6月26日 地方版