県は25日の県議会一般質問で、静岡県との間でドクターヘリ(救急医療用ヘリコプター)の相互協力態勢を取ることで合意したと明らかにした。月内にも県内の消防機関に要請方法を周知、運用を始める。県南部でヘリ到着までの時間短縮が期待される。渡辺庸子衛生部長が、小池清議員(自民党県議団)の質問に答えた。
県によると、静岡県境に近い飯田市など県南部が救急現場となった場合、静岡県のヘリが出動し初期救急にあたる。一方、県のヘリは災害時などで静岡県に協力する。
人工呼吸器など医療機材を装備したドクターヘリは、医師や看護師を乗せて、救急現場にいち早く駆けつける。県は05年7月に導入した。07年度は330件出動したが、佐久市の佐久総合病院に配置されており、距離の離れる県南部への運用が課題になっていた。
渡辺部長は「多額の費用を要し、2台目は導入できない。静岡県との相互協力の検討を進め、合意が図られた」と説明。県医療政策課も「10~20分の時間が致命傷になる。時間短縮のメリットは大きい」と話している。【神崎修一】
毎日新聞 2008年6月26日 地方版