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【社説】今ソウルで韓米首脳会談を行えるのか

 7月の早い時期に予定されていたブッシュ大統領の韓国訪問が延期となった。4月の韓米首脳会談で両国首脳はブッシュ大統領来韓の時期について、「今年夏ごろ」ということで合意していた。しかし実際は7月の洞爺湖で行われる主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)でブッシュ大統領が訪日するのに合わせ、その前後の時期ということで両国とも準備を進めていた。どちらも明言はしていないが、来韓の延期は牛肉輸入に反対するキャンドル集会の影響が大きかったはずだ。

 その代わり両首脳は、サミット議長国である日本が首脳会議後に開かれる拡大会合に李明博(イ・ミョンバク)大統領を招待したことから、その際に会談を行うことにしたという。ホワイトハウスは8月の北京オリンピックの際にも、ブッシュ大統領が韓国を訪れる機会があると表明している。

 ブッシュ大統領は在任中に訪問した数多くの国で何度も反対デモに見舞われたが、今回のように訪問の日程そのものを延期するようなことはほとんどなかった。それだけに両国とも韓国における反米の雰囲気を深刻に受けとめているということだ。このような状況では韓米の同盟関係が進展するはずもなかろう。

 たとえそうだとしても、会わない方が良いような会談はできない。近く牛肉関連告示が官報に掲載され、その後は牛肉問題がどちらの方向に流れていくか予断を許さないのが今の韓国の状況だ。このような時期にブッシュ大統領が予定通り7月初めに韓国を訪れれば、キャンドル集会参加者はこれを積極的に利用する可能性が高い。ソウル都心で反米デモの嵐が吹き荒れ都市の機能が完全にマヒするような中、そのすぐ近くで両国首脳が韓米同盟について話し合うなどというのは笑い話にもならない。

 現在韓国に住む国民のおよそ3分の2は「米国産牛肉を口にすれば狂牛病にかかるかもしれない」という不安を抱いている。一方米国では、「自分たちが毎日食べている牛肉の何がそれほど問題なのか」と理解できないという反応を示している。この巨大な乖離(かいり)がいくらかでも縮まってこそ、韓米首脳会談を行う意味があるというものだ。

 中国の胡錦濤国家主席の訪日も、本来は4月を目標に進められてきた。しかし日本で中国の毒入りギョーザ問題が起こったことから、問題がやや沈静化した5月になってやっと実現した。ブッシュ大統領の来韓もこのような前例を参考にする必要があるだろう。

【ニュース特集】米国産牛肉輸入問題

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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