LANケーブルを自作しよう
一般家庭や小規模オフィスなどでネットワークを構築する場合、既製のLANケーブルを用意して配線を行うことが多いだろう。しかし、大規模なオフィスやデータセンターなどでは、UTPケーブル単体とコネクタを組み合わせて自作したLANケーブルを使うことが多い。これは、以下のようなメリットがあるからだ。
- ケーブルの長さを柔軟に調整できる
- 大量のケーブルを使用する場合、コスト的に安価
一方で、コネクタとケーブルの結線時にミスが発生する可能性があるというデメリットもある。特に、両端から見て電気的に結線されていても、実はスプリットペアが発生していた、というミスは多い。これは専用のテスターを使用しないと検出できないため、注意しないとネットワーク稼働時になってトラブル発生、という事態も起こりうる。
しかし、結線にさえ気をつければLANケーブル製作は素人でも簡単に行える。そこで、以下ではLANケーブルの作り方を簡単に説明しよう。
材料と工具
LANケーブルの製作には、ケーブルとRJ-45コネクタに加えて専用の圧着工具が必要だ。これはRJ-45コネクタをケーブルに結線するための工具で、数千円程度で購入できる。似たような工具に電話線向けに使用されているRJ-11コネクタ用の工具もあるが、こちらはサイズが異なるためLANでは使用できないので注意しよう。
ケーブルについては前述のとおり、カテゴリによって使用できる規格が異なるので、使用するネットワークに応じたものを用意する。
また、RJ-45コネクタについても、さまざまなタイプのものが市販されている。カテゴリ6ではよりを戻す部分の長さまでも規格化されているため、写真6のように複数の部品を組み合わせることで確実に結線されるよう配慮されたものもある。
端子とケーブルの対応
UTPケーブルの各導線には、端子との結線時に混乱しないようそれぞれ色がつけられている。どの色の導線をどの端子に接続するかはTIA/EIA-568-Aと呼ばれる規格の中で定められており、「T568A」と「T568B」の2種類がある(図3)。基本的には両端をT568AもしくはT568Bで結線すればストレートケーブルとなり、片端をT568A、もう片端をT568Bで結線すればクロスケーブルとなる。規格上はT568Aが標準でT568Bはオプションとされているが、実際には両方ともに使用されているため、ケーブル製作の際は確認してから作業を行おう。
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