常勤医不足で「非常事態」 南相馬市宣言福島県南相馬市は25日、市立総合病院(原町区)と市立小高病院(小高区)の常勤医師が不足し、診療業務が危機的状況だと、「非常事態」を宣言した。自治体が病院の非常事態宣言を出すのは異例。宣言によると、総合病院の常勤医は12人、小高病院は4人。総合病院では時間外勤務が1カ月に200時間を超える医師がいるほか、小高病院の医師は3日に1回の当直勤務を繰り返し、ぎりぎりの状態で診察を続けている。 医療法が定める標準医師数は総合病院が24人、小高病院が7人。非常勤医師の応援を得てはいるが、「あと1人でも常勤医が欠ければ、病院全体が崩壊の危機に陥る」と訴えている。 宣言とともに、市は地域医療対策の強化を表明。医師確保に向けて福島県立医大への働き掛けを継続するほか、(1)両病院の常勤医の待遇改善(2)民間医療機関との連携強化と役割の明確化―などの具体策を打ち出した。 記者会見した渡辺一成市長は「医師の勤務状況は厳しい。軽度の患者はかかりつけ医を利用するよう促すなど、市民の協力を得ながら、市立病院の本来の役割を果たしたい」と述べた。
2008年06月26日木曜日
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