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第75回 自転車は現時点では危険な乗り物ではないか

カテゴリ : 社会 / 日時: 2008年06月26日

▲最近、エコ志向の高まりとオヤジ趣味の延長? で自転車人気がたいしたものになっている。もうクルマなどやめて自転車にしましたというと「イイ人」になれるということで、どいつもこいつもである。しかし私は自転車が嫌いだ。なぜならあれほど危険な乗り物はないと思うからである。デイズの社員も自転車命の人が多いゆえ、今回のトークは社内的反発も多いと思うが、とにかく命を大切にして欲しいからあえて書こうと思う。

▲私は長年クルマやバイク、そして自転車にも乗ってきた。それらでたくさんの事故にあった。事故は無いに越したことはないが、やはり致し方ないことも多い。そんな事故経験からいうと、自転車ほどひどい目にあったものはない。私の自転車事故歴を書くと、まず中2の時に幼児をはねたのがもっとも大きなものだ。学校帰りに坂道で、おそらく時速50㎞以上出ていたのではないか、突然飛び出してきた3才くらいの幼児とぶつかった。事故後の交渉は父親がしてくれたからはっきり分からないが、かなりのお金を支払ったと思う。

▲通勤途中に自転車同士でぶつかって転んだときには、半袖だったので片腕の半分以上が擦り傷となった。たいした怪我ではないが、怪我の面積が広いだけに、完治まではずいぶんかかって苦労した。また別に、繁華街でひどく転んでメガネが割れたことも。まわりにいた女子高生が集まってきて「大丈夫ですか、顔から血が出ていますけど」と指摘され、確認するとメガネの割れたところで顔面を切って血まみれ。カッコ悪い。しかもメガネがないとクルマに乗れない(自転車は折りたたみ式でクルマに乗せてきていた)ため家人を呼ぶしかないというハメに。

▲他にも自分ではないが、私の二人の子供は通学の途中にクルマとぶつかって共に自転車を全損している。まあ若い連中にはたいした怪我はなかったのだが、年老いた母親の場合は犬に吠えられて転び、入院した。とにかく自転車は転ぶたびにかなりの被害が出ている。デイズ社員某はタクシーとぶつかって骨折し、補償問題を含め1年ほど揉めたし、別の社員は歩行者の女性とぶつかり、これは加害者側としてかなり苦労した。

▲同じ二輪車でもバイクの場合はそれなりの恰好、心構えで乗っているだけに、転んだ程度ではひどい怪我をしたことはない。クルマに至っては全損扱いの事故も何度かやっているが、体は一応大丈夫だった。つまり自転車は最も怪我をしやすい乗り物なのではないか。いや、乗り物はみな危険だが、自転車は事故を起こしやすく、簡単な事故でも結構大変な怪我をするものといえる。しかも自動車保険のような保険に入っている人は少ないだろうから、特に被害者は厳しい。いや加害者も保障面でかなり辛い状況になるはず。今後自転車ブームが高まるほどにこうした問題は増えてくるだろう。

▲最近話題になった子供を乗せての3人乗り禁止はいつの間にかうやむやになったし、自転車の歩道走行に関しても、なんだか曖昧なままだ。ケータイ、音楽を聴いての運転は禁止されたが、それは当然だろう。自転車が法的にどういうものであるかは大昔に規定されたままのようだし、とにかく法整備の遅れは否めない。また飲酒運転はダメとされているが、これなど酒気帯びくらいは許さないと、逆に自転車に乗る意味はなくなってしまうと思うのだ。つまり自転車は歩行者扱いなのか、車両扱いなのかという決着を必要としている。

▲クルマは事故にあっても自分の身だけはなんとか守れるし、免許制でもあり、走るときはパブリックな乗り物となる。クルマは運転を自覚して「気をつける」乗り物なのだ。反面、自転車は日常の延長で緊張感無しに乗ることが多い。自動車と自転車では運転中の「気をつける」度が大きく違う。そこが事故を招き、ひいては社会的な損失につながるのではないか。むろん、自転車をクルマ同様に「気をつけて」乗っている人も多いと思う。そんな人からは反発があるとは思うが。とにかく、クルマをやめて自転車で健康的になったけど、事故を起こして不幸になりました、ではまずかろう。自転車をこのまま危険で曖昧な存在のままにしておくのはまずいと思う。エコで賞賛するばかりでなく、自転車に関して社会的にもっと問題意識を高めるべきと思うのだ。

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