北京五輪の競泳代表、北島康介選手が着用して世界記録を樹立するなど脚光を浴びている英スピード社の高速水着「レーザー・レーサー(LR)」に関する問い合わせが九州で唯一、LRの先行販売を行う福岡市のスポーツ用品店に殺到している。そのほとんどは中高生の保護者といい、わが子のメダル姿を夢見ているようだ。 (社会部・中原興平)
「うちの子に着せたいんですけど」。11月にLRの先行販売を予定している同市中央区天神2丁目のミタカスポーツ本店では、北島選手が男子200メートル平泳ぎで世界新を出した8日以降、LRについての問い合わせが九州各県や広島、東京などから相次いだ。これまでに寄せられた約100件の9割が中高生の親から。小学生の保護者やスイミングクラブに通う中年女性からの電話もあった。
同店によると、LRは2万9400‐6万9300円と高額(通常の競泳用水着は5000‐1万5000円前後)▽着用に専用の手袋が必要で30分はかかる▽数回しか着られない‐など「極めて本格的な選手向け」。こうした説明を受けて、問い合わせ客のほとんどは購入を断念するが、来春以降の販売予定分も含めた計18人の予約者のうち、半数以上は本格的に水泳に取り組んでいるとみられる中高生の親で占められているという。
同店では同社製の別の水着も売り上げが倍増。臂(ひじ)智美フロアリーダーは「五輪でLRを着た選手が活躍すれば、わが子に着せたいと思う親御さんはさらに増えるはず。今以上に問い合わせが増え、品薄状態も進むだろう」と話している。
=2008/06/25付 西日本新聞夕刊=