在日韓国・朝鮮人の名前が多様化、専門家分析
【ソウル25日聯合】日本社会に根を下ろしている在日韓国・朝鮮人は、そのほとんどが「本名」の代わりに日本式の「通名」で生活しているというのが現実だ。アイデンティティーと直結する名前の問題は、日本植民地時代の創氏改名から始まったが、植民地解放後も日本の不十分な戦後処理もあり、在日韓国・朝鮮人には二重性の痛みとして存在する。しかし、在日韓国・朝鮮人自らが新たな試みを通じ、自分なりの民族アイデンティティーを見出しつつあるとの分析が出されている。
ソウル大学国際大学院の韓栄恵(ハン・ヨンヘ)教授は、20〜21日に慶北大学で開かれた韓国社会学会・伝記社会学大会で、「『民族名』使用から見る在日朝鮮人のアイデンティティー:『民族』の限界と新たな意味」と題する論文を発表した。この中で韓教授は、多様な民族名の可能性に注目した。本来の発音で名前を呼んでほしいという要求は確かに存在するが、それがすべてではなく、姓は本来の発音、名は日本語の発音でそれぞれ読むことで在日韓国・朝鮮人としての特性を示す人が出始めていると指摘する。あるいはどちらの読み方でも発音が同じだったり大差のない字を使って子どもに名前をつけるという妙案もあるという。代表的な例は「伽耶」「美恵」「多美」「珠那」「世羅」など。
さらに本来の発音通りの本名と日本式の通名以外の別の名前までいくつか持つ人も時折目にすることができる。相手との関係に応じ呼ぶ名前を変えるというやり方は、本名と通名の使い分けにもつながる。特に在日本大韓民国民団(民団)系の人よりも在日本朝鮮人連合会(総連)系の在日朝鮮人のほうが、状況に応じ自然に本名と通名を使い分けながら社会生活を営んでいるとした。
在日韓国・朝鮮人の名前がこのように長年論争の種として集団的ストレスと悩みの原因になっている理由について、韓教授は「単に厳しい差別や民族性の風化というだけでなく、在日朝鮮人自ら新たな価値を発見することで、マイナス価値をプラスに転換しようという模索段階が続いているためではないか」と慎重に分析している。