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広がる貧困、韓国の中産階級に崩壊危機(下)

 同期間に中産階級から上流階級(可処分所得中央値の150%超)に移動した世帯は3.4%だったのに対し、中産階級から貧困層(可処分所得中央値の50%未満)に転落した世帯は7%に達した。貧困層に転落した世帯の割合は上流階級入りを果たした世帯の2倍に達したことになる。96年当時に中産階級に属していた10世帯のうち1世帯が貧困層に転落した計算になる。

 中産階級没落の度合いを間接的に推定するW(ウルフソン)指数も96年の0.2388から07年には0.2985に高まった。W指数は所得の二極化の度合いを示す指数で、数値が高いほど中産階級の没落が進み、所得格差が拡大していることを示す。

 所得上位20%と下位20%を除いた中位60%に属する中産階級の所得占有率は、通貨危機以降回復の兆しを見せていたが、06年の54.7%から07年には54.1%へと再び低下した。下位20%の貧困層世帯の所得占有率は96年に7.9%、00年に6.2%、07年には5.6%と低下が続いている。

 中産階級関連の指標が悪化している理由について、KDIは▲景気低迷▲自営業者の没落▲家族解体による単身世帯の増加-を挙げている。

 兪京濬(ユ・ギョンジュン)KDI選任研究員は「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権下で所得分配改善に向けた財政投資が行われたが、福祉システムが誤作動し、かえって貧困が深刻化した」と指摘した。

鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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