医療経営の戦略立案できる人材育成
メディカルコンソーシアムはこのほど、「08年改定の新設届出医療を完全検証−ケーススタディー分析」をテーマに初の「医事マネジメント部会」を開催した。病棟編成のケーススタディー、2008年度診療報酬改定で新設された届出点数が病院にどう影響したかや、今後の医事課の在り方などを取り上げた。
会場となった学校法人川口学園早稲田速記医療福祉専門学校(東京都豊島区)には、全国から医療機関関係者、医療関連企業の社員など40人が訪れ、講師の話に熱心に耳を傾けていた。
メディカルコンソーシアムは、大分岡病院の広報・マーケティング部ディレクターの山田隆司氏が18年間、毎月一回開催し、今年6月で173回目を迎えた勉強会。今回、初となった「医事マネジメント部会」は、医療機関の収入確保戦略・戦術部門の現役講師を招き、行政や自院のポジショニングを把握した上で、戦略を立案するマネジメントできる人材を育成することを目的としている。
メディカル・マネジメント・オフィス代表の工藤高氏は、08年度改定の新規届出医療の検証をテーマに講義。
届出医療とは、あらかじめ定められている人員基準、施設基準について、その整備状況を届け出て、受理されることで算定できるものを指す。医療機関は施設基準を上げることで、診療報酬を増やし、経営を安定させることができる。
工藤氏は、病棟編成のケーススタディーや届出医療で実際にあった病院側の勘違いなどを交えて講義を行った。工藤氏は、届出医療には「可能性」「収益性」「方向性」「将来性」「説明性」が重要とした。また、自院がどうあるべきかというビジョンを明確にすれば、届出医療の内容が決まると指摘。このビジョンを明確にした上で、▽収入に関するシミュレーション▽実際に掛かる費用の調査▽医療行政や他院の動向などの調査と議論による採否の決定▽マクロ的な視野も含む届出医療の持つ意味の職員への説明▽人員基準、施設基準などの足りない部分を改善して届け出▽その後の成果の確認―を行っていくことがランクアップにつながるとした。
また、ポジティブな思考も重要と指摘。「届け出できない理由を長々と挙げるのではなく、いかに届け出できるかを考えるのが必要。そういうポジティブな発想を積み重ねることで、道が開けてくる」と語った。
続いて、「これからの医事課のあり方」と題して、河北総合病院本院・分院事務部長の篠塚功氏が講義した。篠塚氏は、医事課の役割が定型的業務や人事管理といった作業的業務から情報量と専門性を持った組織への影響度が大きい仕事へと変化していると指摘。病院の経営にかかわることで、責任範囲が広がっているとした。
次回は7月19日午後2時から5時まで、同じく早稲田速記医療福祉専門学校で開催され、工藤氏が「コメディカルの生産性をベンチマーク」、黒沢病院(群馬県高崎市)医事課長の田島良一氏が「100床未満DPC対象急性期病院の質とサービス向上への挑戦」をテーマに講義する。参加費は8000円。
申し込みはメディカルコンソーシアムのホームページから。
http://www.safetynet.jp/consortium/index.html
更新:2008/06/25 19:56 キャリアブレイン
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