県立中央病院(金沢市)で抜歯手術をした野々市町の60代の主婦が、舌にまひが残ったとして、病院を運営する県に約912万円の損害賠償を求めた裁判で、最高裁は2審判決を不服とした主婦側の上告を棄却。県に慰謝料など55万円の支払いを命じた判決が確定した。病院によると、支払額は利子を含め約72万円になる見込みで、全額保険で補てんされる。
24日の県議会厚生環境委員会で報告された。2審・名古屋高裁金沢支部判決によると、主婦は00年1月、抜歯手術を受けた際、舌の神経にまひや味覚障害が残った。判決では、担当医が症状改善のため、他の病院を紹介するなどの説明義務を怠ったと指摘。一方、術後の検査に関する過失はなかったとして、1審・金沢地裁が命じた約506万円の支払い額を減額した。【高橋慶浩】
毎日新聞 2008年6月25日 地方版