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【社会】

殺人予告急増、逮捕12人 秋葉原事件で負の連鎖

2008年6月25日 09時31分

 東京・秋葉原で発生した無差別殺傷事件の影響で、インターネットや携帯サイトで殺人や爆破などを予告する事件が急増。警察庁のまとめで、事件のあった8日から23日までに、威力業務妨害や脅迫などの疑いで12人が逮捕された。このほか、4人が書類送検され、1人が補導された。「秋葉原の件で勇気がわきました」「加藤容疑者に共感した」などの書き込みもあり、「負の連鎖」が起きている。

 逮捕されたり、書類送検などされた内訳は、男が15人、女2人。年齢層は13−30歳で、職業は無職、アルバイトが多く、17人中、学生をのぞいて定職についているのは1人。「世間を騒がせたかった」「面白半分」など自己中心的な動機が多い。

 中部地方では、愛知県警が16日に「中部国際空港駅で人を刺します」と書き込んだアルバイトの男(24)を、18日には同県西尾市で殺人を予告した無職の男(26)を、それぞれ逮捕。

 24日にも、アイドルグループの携帯サイトで無差別殺人を予告し、名古屋市中区であった公演を妨害したとして、警視庁に無職少年(18)が逮捕された。

           ◇

 サイトでの犯行予告の急増に、警察は「ネットに匿名性はほとんどなく、捜査すれば足がつく」と警告している。

 愛知県警サイバー犯罪対策室は「不特定多数が利用するネット喫茶には身分確認をお願いし、匿名性の排除に力を入れている」と話す。以前なら、「いたずら」として見逃されていた行為も、実際に秋葉原のような事件が起きると発信先を突き止めて事件化せざるをえなくなった。インターネットでは事件の3日後、「犯行予告」「殺す」などのキーワードを自動検出するサイト「予告in」が登場。見つけた犯行予告は、関係する都道府県警に情報提供している。

 サイトを管理するクリエイター矢野さとるさん(26)は、逮捕者続出の現状に「ネットは匿名、という認識不足がいまだにある」と話し「何かを投稿すれば自分の責任が発生する。それに気付かない人が多いのではないか」と無責任さを指摘している。

(中日新聞)

 

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