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【コラム】「近所の息子」の真実(下)

 日本政府は韓国で騒動が起きなかったとしても全面開放は受け入れないはずだ。それは「国民の健康」のためなのか。韓国政府はまたも近所の息子の生真面目さと比較されるかもしれない。しかし、隣国の内部事情をよく知る人に「国民の健康」をうんぬんすれば笑われるだろう。「国民の健康」という理想より、責任を回避しようとする日本の官僚主義がより大きく働いたことを知っているからだ。

 日本では01年に狂牛病の牛を発見できなかった獣医が自殺する事件が起きた。そうでなくとも二重三重に責任を分散させるまで決定を下さない日本の官僚が牛肉問題に熱心になり視線をうかがうのは責任を回避するためだ。官僚が権力のてっぺんまで支配する日本では、政治的責任を引き受ける存在がいない。韓国も日本のように官僚に支配されていれば、初めから全面開放は受け入れなかったはずだ。市場開放は政権初期の強い大統領権力が政治的決断を下したことで決まったものだ。

 もちろんこの決断は明らかな失敗に終わった。官僚主義の慎重さを前面に押し出したほうがずっとマシだったケースだ。しかし、慎重に視線をうかがう日本に学べとは言えない限界が韓国にはある。日本は米国と自由貿易協定(FTA)を結ばなくても豊かに暮らせるが、韓国はそうはいかない。日本は牛肉の代わりに高価な兵器を買えばよいが、韓国はそうはいかないのだ。よくやったと褒めるつもりもないが、いつまでも批判すべきことでもない。「ウチの息子」も頑張らねば。

東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

【ニュース特集】米国産牛肉輸入問題

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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