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最高級ファーストクラスに挑むＪＡＬの本気度！

2008年06月24日14時56分

　海外旅行がグンと身近なものとなり、今やアジア方面を中心に、2万円台といった超格安航空券が出回る一方で、驚愕の最高級ファーストクラスが航空各社から登場している。

　ＪＡＬは6月、国際線ファーストクラスに新シート導入を発表した。その名も「ＪＡＬスイート」。『空に浮かぶスイート』と銘打ったこの新シート、大型シェルで包まれ、贅を尽くしたプライベート空間だ。

　とりわけ「健康」と「睡眠」にこだわり、本革張りのシートはベッド時にはシングルベッド並みのスペースをキープ。安眠枕でおなじみのテンピュール社と世界で初めて共同開発したＪＡＬ専用のマットレスと枕も用意され、極上の寝心地が得られる。

　さらには、プライベートパーテーションを閉じれば、恋人や夫婦など2人だけの空間が作れるという凝りようで、潜在的ニーズは高そうだ。

　このようなハイレベルなファーストクラスの先鞭を付けたのは、ドバイ発祥のエミレーツ航空とされる。今や世界の資本が集中し、中東の経済の要衝となったドバイ国際空港が拠点となり、卓越したサービスや設備で国際的な賞も数々受賞。中東や欧米のエグゼクティブを魅了してきた。

　また世界の航空会社ランキング1位の常連、シンガポール航空では、昨年10月より世界最大のエアバスA380を就航させた。世界初の総2階建てということでも話題を呼んだが、最上級の「スイートクラス」では、業界最大の幅87㎝の座席とは別にベッドが付いており、2つのスイートクラスを合わせればダブルベッドにすることもできるという。同社は「贅沢と安らぎの新基準」と、絶対の自信を誇る。

　ちなみに、先述した「ＪＡＬスイート」、今年8月1日より東京＝ＮＹ線で導入が予定されているが（奇数日隔日運航）、料金はなんと往復157万円。この金額でも「お値打ち」と感じられる層が、確実に存在しているということの証でもある。

　機内で地上と同様の仕事をこなし、最上級の機内食をとり、フルフラットのベッドで熟睡し、寛ぐ。激烈なビジネスを制するためには、機上の時間と居住性を高額で買うことをも厭わないというニーズに応えるものといえるだろう。

　原油高騰など事業環境の厳しい中、熾烈な競争が続く航空業界。極限まで機内の居住性を高め、まるでホテルのような贅沢空間を作ることで富裕層を取り込み、空の覇権を握ることができるのか――。その挑戦が注目される。

（田島　薫）

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