海洋汚染や乱獲、地球の温暖化などが原因となり、海洋魚の数が急速に激減していることが明らかになり、このような状況が続けば、2048年までには野生の魚が絶滅してしまうと警告されていることが伝えられた。
科学専門誌「Science」によると、海洋生物学の専門家らが世界中の海洋魚の状況を4年にわたって調査したところ、1950年以来漁獲された魚の3分の1の種類はすでに絶滅寸前、もしくは9割も激減をみせているとされ、海洋の生態系を考慮しながら緊急に何らかの手段を講じなければ、天然の海洋魚は今世紀で姿を消してしまうと予測したとされる。
最も危機に瀕している魚種は北大西洋のタラで、その数は過去40年のうちに80%減り、北海に残っているのはわずか5万トンとなり、先月にはタラの漁獲を禁止することが唯一、絶滅を防ぐ方法と提唱された。その他に危機に瀕している種類はオヒョウ、ガンギエイ、大西洋サーモンなどとされる。
海洋魚の減少は、世界的な食糧供給に多大な影響を与えるだけでなく、魚が食べられなくなることで人々に健康上の弊害が出たり、水産業界に経済的打撃を与えたりするほか、海の生態系全体にも悪影響を及ぼすことになるという。
海洋魚の減少の原因として専門家らは、乱獲や気候の変化、海洋汚染を挙げているが、特に乱獲では、世界的な魚の需要が過去30年間で2倍にも増加し、その結果サッカー・コート50個分にも及ぶ巨大な網や、海洋資源を根こそぎ捕ってしまう底引き網の多用が問題と指摘。
しかしながら過去1,000年にわたる漁獲データを調べたところ、幸いにも、漁獲量や海洋汚染などを徹底管理することで、海洋資源は3〜10年という比較的短い期間に回復される可能性があることも分かったという。
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