人材派遣業などを展開するグッドウィル・グループ(GWG)は24日、7月末にも子会社の日雇い派遣大手グッドウィル(東京都港区)を廃業する方針を固めた。東京地検公安部が同日、労働者の二重派遣事件で、グッドウィルなど4社と幹部ら計8人を職業安定法(労働者供給事業の禁止)違反幇助(ほうじょ)などの罪で略式起訴、グッドウィルは同日、罰金100万円を納付した。厚生労働省は有罪が確定すれば派遣事業の許可を取り消す方針で、GWGは事業の継続が難しくなったと判断した。
厚労省は「容疑は派遣許可の欠格事由に該当する」としており、許可が取り消されれば、大手では初めて。
略式起訴されたのは、グッドウィルでは法人と上村泰輔・事業戦略課長(37)ら3人、港湾関連会社「東和リース」(東京都港区)と中山美行・同社長(61)ら2人、二重派遣先の港湾荷役会社「笹田組」(横浜市中区)と「太洋マリーン」(港区)両社とその幹部3人。グッドウィルの3人も罰金50万〜100万円を納付したという。
グッドウィルは同日、東京簡裁から罰金の略式命令を受け、納付した。14日以内なら命令を不服として正式裁判を請求できるが、請求しなければ有罪が確定する。
東京地検の発表によると、グッドウィルは06年5月から07年6月の間、東和リースが笹田組と太洋マリーンに労働者を二重派遣することを知りながら、グッドウィルEV(イベント)新宿支店の労働者を計51回にわたって派遣し、働かせていた。また、07年5〜6月、労働者を計23回にわたり東和リースに派遣する際、労働者派遣法に違反し、契約書類に記載が義務付けられた労働者の氏名をイニシャルだけで済ませたなどとされる。
地検の調べでは、グッドウィル本社は売り上げを増やすよう支店に圧力をかけていたが、違法行為を指示したり、黙認したりするなどの行為は認められなかったという。