J・フロントリテイリングは24日、松坂屋の子会社、横浜松坂屋(横浜市)を10月26日で閉店すると発表した。業績低迷や建物の老朽化が理由で、144年の歴史に幕を降ろす。昨年9月の松坂屋と大丸の経営統合以降、初の百貨店撤退となる。閉店後は、複合施設を建設するという。
横浜松坂屋は1864年、横浜の中心街だった伊勢佐木町に呉服店として創業した老舗。人気デュオ「ゆず」が店の前で路上ライブ活動をしていたことでも知られる。しかし、売上高は92年2月期の約300億円をピークに減少。08年2月期には約87億円に落ち込み、累積赤字は22億円に達していた。
松坂屋の茶村俊一社長は記者会見で「大型百貨店が集中する(西区の)JR横浜駅前や、みなとみらい地区の再開発との競合を考えると、百貨店業は難しい」と述べた。【五味香織】
毎日新聞 2008年6月24日 20時54分(最終更新 6月24日 21時25分)