登校拒否のまま卒業 教諭が「落書き犯」決めつけ... 堺の中学
堺市立福泉南中学校で、女性教諭の誤解から落書きの犯人と決めつけられた女子生徒がその後、登校拒否となっていたことが23日、分かった。女子生徒は今春に卒業したが、同校と市教委は「配慮が足りなかった」などとして生徒側に謝罪したという。
関係者によると、女子生徒は美術部に所属していたが、1年生だった平成18年1月、美術準備室の黒板に落書きがあるのを別の部員が発見。
顧問だった40代の女性教諭は女子生徒が落書きしたと決めつけ、退部させた。
その後、女子生徒への疑いが晴れたため、教諭は謝罪。しかし、女子生徒は2年生になってから学校を早退するようになり、2学期には「学校に行きたくない」などと親に訴えるようになった。
学校側は昨年4月、生徒らへ配布する「学校だより」に女子生徒の退部が「顧問の思い込み」が理由だったと記載したが、女子生徒は3年生の2学期からは登校拒否になり、医師から適応障害と診断されたという。
今年3月の卒業式にも出席せず、校長らから謝罪を受けた後、卒業証書を受け取った。
女子生徒の母親は「あれだけ学校を楽しみにしていた子が行かなくなった。学校側も市教委も速やかに事実確認を行って謝ってほしかった」と話す。
市教委は「指導上の問題であり、懲戒処分にはあたらない」とする一方で、「発生当初から聞き取り調査を行わなかったことは反省している」としている。
(2008年6月24日 07:52)