横井庄一記念館が2周年 
妻の美保子さん「話つないでいきたい」

 28年間、グアム島ジャングルに潜み続け奇跡的に生還した元日本兵、故横井庄一さんの人生を紹介する横井庄一記念館(名古屋市中川区)が24日、開館から2周年を迎えた。25日には市博物館(瑞穂区)で展示会も開かれる。妻の美保子さん(80)は「記念館の運営がこんなに面白いとは思わなかった」と笑顔で語る。
 ■25日から名古屋市博物館で展示会
 記念館は2006年6月に自宅の一部を改装して開館。グアム島で暮らしていた洞穴を再現したスペースや、帰国後に情熱を傾けた陶器など約80点を展示。
 当初は自宅を名古屋市に寄贈して記念館とし、横井さんの七回忌である03年オープンを予定していた。ところが市側から「10年後には取り壊す可能性がある」と知らされ交渉は決裂。美保子さんはボランティアの協力で私営の記念館として開館した。「全国の皆さんの寄付で建てられたこの家を横井は大事にしていた。残すことで横井の話をつないでいかないといけないと考えた」と美保子さん。
 美保子さんの楽しみは記念館を訪れる人たちとの交流。日曜日だけの開館だが、毎週約5組が来客。「姫路市からやって来た94歳の戦争遺族のおばあさんや『横井さんのご利益をいただきたい』と訪ねてきた人などさまざま」。米国や中国などからも訪れ、感極まって涙を流す人もいるという。
 今後も可能な限り運営を続けていきたいという美保子さんは「横井は心の底から戦争反対、平和を願っていた人。横井の体験や思いは皆さんの心の中に続いていくものだと信じて、平和の灯を点けていきたい」
 横井庄一記念館は毎週日曜開館。入場無料。問い合わせは同記念館TEL052(431)3600。
 市博物館の展示会「横井庄一さんのくらしの道具」展は25日―8月24日。横井さんがサバイバル生活の中で実際に手作りし、使用していた道具を展示。問い合わせは同博物館TEL052(853)2655。

【写真説明】「記念館を訪れた人たちと会話をするのが面白い」と話す横井美保子さん=23日午後、横井庄一記念館(名古屋市中川区)

(2008年6月24日更新)


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