国際捕鯨委員会(IWC)の年次総会が23日午前(日本時間同日夜)、南米チリのサンティアゴで開幕した。日本など捕鯨支持国と米英など反捕鯨国の不毛な対立が続いてきたが、今回は日本が再開を求める沿岸小型捕鯨など個別課題を話し合う小委員会の設置が検討される見通しだ。
加盟80カ国のうち捕鯨支持国と反捕鯨国の勢力はともに40カ国前後と伯仲。昨年は非難の応酬に終始し、日本は悲願の商業捕鯨再開に向けた展望が描けないとして、IWC脱退にも言及したが、今年は冷静な議論の場としてIWCの正常化を優先させる方針だ。
議長国の米国が個別課題に関する小委員会設置の意向を示しており、日本もこれを支持。具体的には、沿岸小型捕鯨再開や調査捕鯨のあり方などをめぐり小委で議論を重ね、打開を目指す。一方、反捕鯨国の豪州は、調査捕鯨を日本単独の判断で実施するのではなく、IWCの管理下に置くよう提案する構えだ。【工藤昭久】
毎日新聞 2008年6月24日 東京朝刊