『たかじん』より、横田御夫妻の言葉
Theme: 拉致問題関連6月15日放送の『たかじんのそこまで言って委員会』に、
横田御夫妻が出演されていました。
VTRを含め、部分的に書き下ろします。
ナレーション
1977年、沢田研二の「勝手にしやがれ」が大ヒットし、巨人の王貞治がホームラン世界記録を達成、そして日航機が日本赤軍グループにハイジャックされたダッカ事件では、当時の福田赳夫総理が「人命は地球より重い」と述べ、身代金の支払いと、拘束されていた赤軍メンバーなどの引渡しを決断した。
この年の11月15日・・・
新潟市で一人の少女が下校途中に、忽然と姿を消しました。少女の名前は横田めぐみさん、当時13歳、今でこそ誰もが知る北朝鮮拉致事件、しかしその真相が明らかになるまでには、想像も出来ないような長い年月がかかりました・・・拉致という国家的陰謀に巻き込まれてしまった普通の家族、それから30年、娘を取り戻したいという御両親の強い思いが、やがて、人を、国を、世界を動かしていくことになったのです・・・
ナレーション
1978年7月7日、福井で地村保志さんと浜本富貴恵さんが、7月31日新潟で蓮池薫さんと奥土祐木子さんが、8月12日鹿児島で市川修一さんと増元るみ子さんがそれぞれ失踪・・・
1980年1月7日付けの産経新聞が一面トップで、これらのアベック失踪事件に、外国の諜報機関が関与している疑いがあると報道。日本海側で頻発する失踪事件が、北朝鮮による犯行であることを初めて示唆しました。この記事を読んだ横田夫妻は、警察にめぐみさんの失踪との関連を訴えましたが、当時は無関係と判断されました。そしてめぐみさん失踪から20年が経った2月3日、産経新聞が脱北した北朝鮮の工作員の証言を元に、『20年前13歳少女拉致』と、めぐみさんの拉致を初めて実名、写真入で報道・・・日本中で起きていた失踪事件の数々が線となってつながり、横田夫妻はこの年の3月、『北朝鮮による拉致被害者家族連絡会』を発足させたのです。
そして2002年9月17日・・・
(ここで『めぐみ-引き裂かれた家族の30年』より当時の小泉総理の発言の映像)
『拉致問題の進展がなければ、国交正常化交渉には入りませんから、これは水面下の交渉以来一貫した日本政府、私の基本姿勢です。』
ナレーション
当時の小泉総理が初訪朝・・・
ナレーション
平壌で日朝首脳会談が行われ、北朝鮮側は日本人の拉致を初めて認め謝罪・・・拉致被害者のうち、5名の生存と8名の死亡が伝えられました・・・
めぐみさんは死亡・・・
その伝えを聞いた父滋さんは、
(当時の横田滋さんと早紀江さんの記者会見での発言)
『しかし結果は死亡という残念なものでした。それでも私は、元気でおられた方はあとの人には遠慮せずに喜んでいただきたいと思います。』
そして母の早紀江さんは・・・
『何か一生懸命に仕事をさせられてる者は簡単に出せないということだろうと私は思っております。まだ生きていることを信じ続けて戦ってまいります。ありがとうございました。』
ナレーション
1ヵ月後の10月15日、5人の拉致被害者が、24年ぶりに日本に帰国、家族との再会を果たしました。
そして・・・1年後
めぐみさんの娘、キム・ヘギョンさんが平壌で会見
2004年11月の第3回日朝実務者協議では、北朝鮮側が、『めぐみさんは、1994年4月に死亡した』として遺骨を提出しましたが、遺骨とした骨の一部からは、めぐみさんとは異なるDNAが検出され、別人であることが判明し、2006年4月には、日本政府の実施したDNA鑑定で、めぐみさんの夫が、1978年に拉致された、韓国人拉致被害者、キム・ヨンナム氏である可能性が高いことが判明、その後、早紀江さんがアメリカ下院公聴会で、拉致問題で証言した。
ホワイトハウスで、ブッシュ大統領と面会、さらに滋さんらが、キム・ヨンナムさん家族と面会するために、韓国を訪れました。その後もご夫妻は、めぐみさんの生存を信じ、彼女の娘であるヘギョンさんと共に、帰国が果たせるようたゆまぬ努力を続け、全国各地での講演活動など、多忙な毎日を過ごしています。
ナレーション
そんな中、先月、早紀江さんが初めて作詞した「コスモスのように」が、CD発売されました。
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(ここで『コスモスのように』が流れ、めぐみさんと家族の写真の数々が画面に映し出された・・・)
質問です。北朝鮮拉致問題、今、あなたが思うことは何ですか?
●原口一博氏=〝事勿れ〟〝見てみぬフリ〟が被害を拡大
●三宅久之氏=「家族会の気持ち」を優先した政策を!!
●村田晃嗣氏=〝解決〟とは何か?
●李 英和氏=国家の不作為責任
●宮崎哲弥氏=問題を停滞させているのは誰?
●勝谷誠彦氏=人類全体の問題
●田島陽子さん=日本政府の政策は間違っていたのでは?
●安藤かずさん=〝風化〟が怖い
やしきたかじん氏
原口さん・・・これは、国家犯罪ですよね?これは、絶対あってはならないことが、こんな明らさまに、後、まぁ・・・進まないということはどういうことなんですかね?
原口氏
やっぱりあの・・・(涙ぐんだ様子で)〝事勿れ主義〟ですね。あの97年予算委員会で、西村眞悟さんが初めて取り上げた時にですね、あの場にいましたけど・・・怒号でしたっ。「いい加減なこと言うな!」と、そういう中をご夫妻がですね、事実を明らかにされてきて、まさにその、国家が犯罪を犯し、人権を犯し、国権を犯したということ・・・
辛坊治郎氏
あの・・・その時に「いい加減なことを言うな」と言った人たちはどういう風な人たちが、何を根拠に言ったんですか?
原口氏
もぉ・・・思い出したくはないんですけども、何の根拠もなしに
たかじん氏
何の勉強もしないで・・・
原口氏
何のあれもしないで・・・何を聞けども、聞かず、見れど、見らず・・・「兎に角、仲良くすりゃ良いじゃないか」、そういうことで、西村眞悟さんの声を消したんです。
(中略)
辛坊氏
みなさんの意見を聞かれてですね、率直なところをお聞かせ頂きたいんですが、
横田滋氏
やはりあの・・・国交回復すれば、自由に出入りが出来て見つけるということは不可能だと思います。先般、あの・・・イギリスの平壌に駐在している大使の方とお目にかかって、朝食会でお話など伺ったんですけど、イギリスの大使であっても、自由に歩ける範囲が非常に狭いわけです。ちょっとそれ以外の外出となると、すぐに許可を取らなければならない、大きなところであれば、1週間ぐらいで許可がでることがあるけど、小さいところとなると許可が出ないということで、そんなに自由に、どこでも捜し廻れるという状態ではない訳なんです。
それから、制裁をすれば解決できるという意見と、最近、新しく出来た、山崎(拓)さんなんかが、顧問になっておられます、まず国交を回復するってやり方とありますが、それは、議員間外交ということも、一つの突破口のためには大事なことなのかもしれないんですけど、あくまでも、国の基本方針と違うとなるとなれば、二元外交担ってマイナスになりますんで、やはり、政府の意見と反対の形での行動を取りますとマイナスになると思います。
(中略)
宮崎氏
先週の金曜日の毎日新聞の一面ですけども、
北朝鮮拉致で新提案、日本側示唆〝生産的な議論〟というような報道がなされて、毎日新聞のね、最近の北朝鮮に関する報道は、どうも私は、訝しいところがあると思ってんですけど、これも、毎日だけが一面で出してきてるんです。
勝谷氏
(5月)26日には、地村さんたちが、「めぐみさんと会った」という話がね、これにだけど、週刊新潮で、安倍(晋三)さんと中山(恭子)さんが、明確に否定しています。もっというと、5月9日に、ヘギョンさんとソウルであわせるなんていう報道があった
宮崎氏
それについて伺いましょう、横田さんに・・・
辛坊氏
まず、順番にいきますけど、キム・ヘギョンちゃんとご夫妻が、韓国でお会いになるということを承諾したという報道がありました、あれは・・・そんな話がありましたか?
横田氏
そんな話はありません。
辛坊氏
まったくないんですか?
横田氏
(ご夫婦ともに頷きながら・・・)我々がお願いしたということも、まず、ありません。私も9日の日には、マスコミからの紹介を受けたんですが、早紀江が朝早くに、中山(恭子)さんのところに電話をして、まだ、起きられたばかりで、驚かれていましたけど、そんなことは、事実はないということですし、その日、町村官房長官が、9時過ぎに記者会見なさって、あれはもう事実無根であると、あの中では中山さんが、4月に訪韓をしたというのは、事実ですけど、それ以外のことは、まったくそんなことを北朝鮮で謀って、それの見返りに、めぐみの偽の骨を(北朝鮮側に)返すというようなことを話したこともないし、政府の中で、そんなことを検討したことも、まったくない・・・
辛坊氏
まったくの・・・知らぬところで、出てきた記事と?
(中略)
三宅氏
肝心なことですけど、取材はあったんですか?
横田夫妻
いやいや、ありません。
(中略)
辛坊氏
もう1つ、北朝鮮が、めぐみさんが自殺したと最終的にはされたと言われる、後に、拉致被害者の隣に、実は引っ越してきたというニュースがありましたが、この話はご存知でしたか?
横田早紀江さん
(その記事が)出る前の日に、毎日新聞の記者の方からお電話が入りましたから、「ちょっと大変なニュースを知ってる」と、それを明日の朝刊に載せたいんで、是非、横田さんとお話をしたいと・・・もう、遅かったんです夜、〝どんな情報なんですか?〟「それは会わないと言えない」と仰るんですけど、ちょっと遅いし、私たちも疲れてましたから、〝何だか言って下さい。どういうことですか?〟と言ったら、「(地村)富貴惠さんが、そういう風に言った」と、そういうことを仰ったんで、〝そんなこと私たちも聞いてないし、それは全然、聞いてないことだ〟と〝そんないい加減なこと、わからないからコメントは出来ません。〟とそれは知りませんと、変なことを書かないで下さいね、一切コメントしませんからといって(電話を)切ったら、次の日にアレが載ったんです。
辛坊氏
あれは地村さんとはお話しされてますか?
横田滋氏
地村さんとは我々は子どもさんがお帰りになってからは話を聞きましたけども、そんなことは聞いたことがないです。それで内閣府に問い合わせましたら、内閣府の室長が直接地村さんに、富貴恵さんに電話をしたら、「そんな事を言った覚えはない」ということで・・・
辛坊氏
まったくのデタラメが一面トップに出たということですね。
辛坊氏
皆さんにもせっかくご夫妻に来ていただいてますんで、皆さんからご夫妻に是非聞きたいことということで見てみたいと思いますんでそれで進行いたします。いっせいにドン。
(中略)
田嶋さん
お二人はどんな風に政府も国民も動いてくれたら一番いいなーと今までの色々な経験や思いから思われますか。具体的に・・・
横田早紀江さん
やっぱりね、こう色々とお話を聞きしてたりしましても、北朝鮮の国の本質というか、本当に北朝鮮がどういう国なのか、本当にちょっと他にないようなものすごい国だと、そしてあの平壌という大きな町がありますよね、あすこのところに住んでる人たちと、それから周囲にいる人たち、そしてもっともっと奥の方にものすごいたくさんの強制収用所で罪もなくて今も囚われてる人たちが何十万といる、それが放置されてどんどんどんどん亡くなっていく・・・で、餓死をして子どもたちもほったらかされて、平壌以外の人たちはどうにでもなってくださいっていう、もう人間としての尊厳も何もないそのような国と、普通のこういう自由主義の平和な国のものの考え方で、対対でいったってそれはもう絶対に合わないんですよ。だからこそ何とかして色んな形で制裁をしたり、色んな形であちらが本当に困って「返さなかったらどうにもならない」じゃあここまでするんなら本当しょうがないっていうんで、拉致問題を、皆さんを出すからということで、本当に交渉をしましょうって日本から良い形でもっていくために、一生懸命私たちは、恵みのことだけじゃなくて、日本の国のために本当に強い国になってもらいたいし、もっともっとたくさんの、これからの世代の人もいます。お子さんやお孫さんもいらっしゃいます。そういう方が、このままでこれが済んでいたときに、本当に日本の国って何にも出来ないんだと、大切な日本の国民、宝物を奪われて30年も40年も、みんなが戦ってても、誰一人も本当のことがわからないでまだ過ぎていくんだって、こんなことをね、他国にも見せることは出来ないですよもう。私はそういう気持ちです、いつも・・・
(中略)
勝谷氏
何か皆さんがすごい戦略的・政治的なことを書いてる中で僕は叙情的で申し訳ないんですけど、今日は僕も青いTシャツを着て来ましたけれども、まあめぐみさんがもし帰ってこられたら、確実に帰ってこられると僕は信じてるんですけれども、まず最初にご一緒に何をされたいですか。
横田滋氏
私はあの、めぐみは北朝鮮では反日教育みたいなものを当然受けてると思いますから、日本の国があまりよくない国だと思わされてるかもしれません。そういった呪縛を取り払うためには最新の日本の姿を見せたいと思います。そしたら例えば日本なんて工業水準がたいしたことないとか、色んなことを言ってると思いますけれども、それを見たらいかに北朝鮮がうその教育をしてるかっていう様な事がわかると思いますから、それで昔のめぐみを取り戻せると思います。
勝谷氏
何かすごくこう逆に、僕はもっと例えば一緒に温泉行きたいとか、どっか何か行きたいとかそういうことを考えて、叙情的に考えてたんだけれども、逆にすごいリアリティがあって、切ないですね・・・
横田早紀江さん
私はやはりちょっと違うんですけど、13歳まで居ましたから日本に、そして色んな所にも行ってるし、日本の姿はある意味で13年のものを身につけて知ってますから、向こうに行ったら大変な所に来たと思ってると思うんですよ。こんなとこがあったんだと思って。泣いて苦しんで病気になってたと思うんですね。だから今どこにどういう風にしているのかはわかりませんけど、やっぱり監視されてる状態で暮らしてると思いますからね。本当に帰ってくることが出来たら、本当に自由が、私が自由になったんだということをまず思わせてあげたいんですね。だから私は自然が一番良いと思うんです。もっとどこの国とかどこの国とかそんなことじゃなくて、本当にもう空と草原とか、そういう大自然の中に、広々としたところで、パーッと寝転がって、一緒に雲を見てね、「私はこれで自由なんだ」って大きな声で叫ばせてあげたいと、わたしはそれからだと思うんです、色々なところに行くのは。そういう思いでおります。
(中略)
辛坊氏
我々に出来ることは非常に限られてるんで、本当に申し訳ないなという気持ちでいっぱいなんですけれども、まあこの機会ですんで、是非TVを見てらっしゃる方に伝えたいことということで、お言葉をいただけますでしょか。
横田滋氏
それはやはりあの、この問題が昔・・・参議院の予算委員会で取り上げられた頃っていうのは、やはり新聞が小さくしか報じない、TVは全然報道がなかった、それであのアベック?の方の親も名乗りを上げなかったということと、実際どうだったかというと、それはもう拉致を解決するっていうよりも、国交正常化を急いだって言うことがあります。それで、めぐみのことがわかった平成9年にちょっと世論が盛り上がったわけですけれども、その頃でもまだ外務省のアジア局長が、「たった10人ぐらいの拉致のことで騒いで、日朝国交正常化交渉が進展しなければ、国益に反する」なんて発言をして顰蹙をかったことがありますが、今はもう政府も非常に一生懸命やってくださってます。安倍さんの時から拉致の対策本部を作ったり、中山前内閣参与を補佐官に任命したり、それから拉致の専任の大臣を、官房長官が今は兼任しておられますけれども、そういった色々な形での体制作りをしてきていますんで、情報収集にも日本は勤めていますから、これはやっぱりそういった努力がいずれ花を咲かせることだと思いますが、それには皆様方が拉致のことに感心を満ち続けてくださるのが最大のことになります。特にこちらのコメンテーターの方々なんかは、皆さん日本のオピニオンリーダーなんですから、是非機会があるごとに拉致のことを国民に対して話をしていただければありがたいと思っております。
======引用ここまで======
動画もUPされてましたが、
残念ながら、削除されてしまったようです。
ご了承下さい。
コメンテーターの方々の意見も載せたかったのですが、
今回は横田御夫妻の言葉を中心に書き下ろしました。
中でも私が印象深かったのは、
勝谷さんの質問に早紀江さんが答えるところです。
唯一そのときの早紀江さんの表情が柔らかかったような気がしました。
子どもを思う親の優しい気持ち、
そしてあらためてご夫妻が常に戦っておられることを実感しました。
私が下手な文章で色々書くと、
せっかくのご夫妻の言葉が台無しなので書きませんが、
この拉致問題は日本という国の主権に関する問題であり、
きっちり解決しないといけない問題です。
『たった10人のことで日朝交渉に支障が出ては困る』
この発言をしたのは、
当時のアジア大洋州局長だった槙田邦彦氏ですが、
ありえない発言ですね。
国家的な拉致を放置するほど国益に反することはありません。
横槍を入れてる妙な議連なんて一刻も早く解散し、
日本の政治家、いや日本人が一枚岩となって、
一刻も早い拉致問題の解決を願います。
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■観ました
涙なしにはみられませんでした。
いつまで、このご夫妻を悲しませなければならないんだろう。
村田さんが、めぐみさんと同い年だ、と言ったときのご夫妻の表情がぱっと明るくなった気がしました。
しかし田嶋さんはヒドかったですねえ・・・。