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第2回 あの人を知りたい!
『大人になったら俳優になろう!』 小市慢太郎
第2回目のゲストは、劇団M.O.P.所属で、外部舞台出演のみならず、映画、テレビ、CM等でも活躍中の小市慢太郎(こいちまんたろう)さんです。対談中もずっと笑顔で、とても気さくな小市さん。舞台では見ることのできない素顔をお届けします。



───いつ頃からお芝居に興味を持たれたのですか?

なんかね、夢っていうほどではなかったんだけど、子供の頃から、大人になったら俳優になろうって思ってたんだよね。


───そんな昔から俳優へなろうと思ってらっしゃったんですか。じゃ、実際、お芝居を始めたのも早かったんですか?

いや、お芝居を始めたのは大学1回生の中頃かな。その前は幼稚園のお遊戯会かな。中学、高校では、軟式テニス部だったんで。


───お芝居に興味があったのに、演劇部には入部されなかったんですか。

演劇部はなかったんだよ。6年間一貫教育だったから、中1の時に軟式テニス部に入部したらずっとそのままだったんだよね。厳しかったからね。もちろん、辞める気もなかったしね。それに中学高校は、とてもクラブ活動が忙しくて、それ以外のことをやる余裕がなかった。ただ、大学に行ってからは軟式テニスは絶対やらないと思っていたけどね(笑)。
写真1 本当は、大学に行かずに東京に出ていこうと思ってたんだよ。で、親とも話し合ったんだけど、「とりあえず大学に行っておけ」と説得されて。で、大学に行ったんだよね。で、大学で芝居をやろうと思ってたので、どこの劇団に入ろうかなと思ってそれを観てまわって。当時、3つくらい劇団があったんだけど、その中で一番ここかなと思ったところが、第三劇場。
小市慢太郎
こいち・まんたろう 大阪府出身。1990年に劇団M.O.P.に参加。以降すべての劇団公演に出演する他、外部の舞台公演への出演も多数。2000年映画「張り込み」で初出演の後、「ココニイルコト」「コンセント」「PLATONIC SEX」等、多数の映画に出演。最近作に、舞台は、自転車キンクリートSTORE「OUT」、ナイロン100℃「ナイスエイジ」、こまつ座「闇に咲く花」等。映画は、来年公開の「13階段」「昭和歌謡大全集」「アンテナ」等。テレビは、「朝の連続テレビ小説 まんてん」(NHK)にレギュラー出演中。
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なんかね、劇団員になるって決めたっていうより、もう勝手にそうなってた。
───学生時代は、かなり舞台立っていたのですか?

第三劇場というのは、年に4回公演があって、俺はだいだい年2回〜3回くらい出演してたかな。たまに休んだりしていたね。しかも第三劇場には座付き作家がいなかったので、誰が本を書くとか、誰が演出をするとかは毎回変わる。だから、毎回上演する演目のテイストは全然違うよね。すごく真面目なお芝居だったり、すごくバカなエンターテイメントだったり。でもまあ、アングラみたいなのはなかったけどね。


───第三劇場で舞台に立っていた時に劇団M.O.P.と出会ったんですよね。

そうそう。昔、マキノさんも第三劇場にいたからね。俺よりもう10年以上先輩なので、入った時は「マキノ」という名前も知らないくらいだったんだけど(笑)。で、マキノさんが、後輩の舞台を観るために第三劇場の芝居に来ていて、何人か声をかけられたんだよね。「次、一緒に出ないか?」って。あとね、アンケートにね、「あいつはいいな」とか書いてあったりしてね。で、そのアンケートを見た先輩が、「マキノさんがお前のこと誉めているよ」って言ってくれたんだけど、俺はマキノさんって言われても誰ですか?って感じで。そんなことがあってマキノさんの舞台に出ることになってね。でも、最初の出演は声(ナレーション)だったんだよ。


───いつ、どうやってM.O.P.の劇団員になったんですか?

なんかね、劇団員になるって決めたっていうより、もう勝手にそうなってた。最初は劇団員じゃないので、出演したら1万円くらいかな、おこづかいをもらってたんですよ。で、それが3本目くらいからなくなったの(笑)。最初は「お前、次どうしてる?」って話があったんだけど、そのうちになんかもう次も出るだろうっていうふうになって……なし崩し的な感じだよ。


───いつの間にか劇団員になってから12年が経ちますが、何が一番思い出に残っていますか?

M.O.P.での初舞台は思い出深いですよ。『HAPPY MAN2 上海大冒険』で高杉晋作をやったんだけど、もうなんか自分が主役だったんで忘れられない。マキノさん、いつも最初には主役をやらせたりするんだよ。木下政治の時もそうだったしね。でもね、どっちかっていうと主役は誰でもいいって感じなんだよね。周りがちゃんとすればなんとかなるっていう発想なんで。でも、やっぱ自分としては、初舞台で主役というのは大変だったな。 写真2


───劇団ならでの楽しさありますよね。

自分たちで何でもやるからね。劇団員みんなでタタキ(舞台装置をつくること)をやったりもするし、仕込みでは舞台装置を組み立てたりもするし。でも、実は俺、タタキの時にあんまり積極的に自分がたたくことないんだ(笑)。で、代わりにパシらされたりする。「ジュース買ってきて」とか言われて(笑)。
舞台は濃いのがいいね。濃い感じが舞台の魅力だなって最近思うね。
───小市さんがジュースを買いに行くんですか(笑)。劇団での活動だけでなく、最近は、舞台、テレビ、映画、CM等でも活躍中ですが、それぞれのジャンルによっての魅力に違いなどありますか?

どれが一番っていうのはなくて、それぞれに違った魅力があるよね。舞台は濃いのがいいね。濃い感じが舞台の魅力だなって最近思うね。ま、過ぎたるは及ばざるが如しなんだけど、そのちょうど手前くらいの脂っこいのがいいね。つまり、やりすぎ手前が一番。テレビはライトな感じだと思うけど、そのお茶の間って感じがいいね。で、映画は創る過程が芝居に近いよね。だから、それぞれにそれぞれの魅力があるから、なんでもやりたいね。それに、どれもまだまだ入り口に立ったばかりだから、どれもこれからだと思う。がんばらないと。まあ、最近はワイヤーアクションとかやってみたいなんて思ってる(笑)。


───アクションですか。体の方はかなり利くほうなんですか?

利くように努力します(笑)。普段、特に何もやってないけどね。


───特別なことはやっていないということですが、舞台は長丁場になればなるほど、体調管理が大変だと思いますが、舞台出演中に気をつけていることとかはあるのですか?

普段の生活とほとんど変わらないね。もちろん、その時々によって違うよ。お気楽な芝居をやっている時は、普段とほとんど変わらないし、やっぱりしんどい系の芝居をやっている時は、ゆっくりお風呂に入ったりするし。それぞれやっぱ違うよね。


───オフの時はどうやって過ごされるのですか?

オフの長さにもよるんだけど、2、3日だったら映画を見に行ったり、家でゴロゴロしたり、ダラダラしてたら終わっちゃう。趣味は釣りだけど、釣りに行くには車があった方がいいんだよね。今はバイクだからなかなか行けない。バイクで釣りは行きにくいんだよ。道具がたくさんあるからね。だから、最近は誰かに連れて行ってもらわないと行けないね。関西の時はよく行ってたんだけどねぇ。あと、ちっちゃい頃、冒険家になりたかったんだよね。だからかもしれないけど、旅行が大好きなんだよ。オフが1週間2週間あると、どこか行こうかって思う。お金とヒマがあれば、絶対旅行だね。 写真3


───日本全国いろんなところに行かれましたか?

旅公演も含めていっぱい行くから、いろんなところに行ったね。一番最近では、鳴子の寿司屋がヒットかな。旅行のポイントは、食べ物と自然な風景と神社とかかな。ディズニーランド好きなんだけど、旅行ではあまりテーマパークとかには行かないかも。


───舞台やテレビ等でお忙しいのでなかなか旅行できないかもしれませんね。旅行以外で、今、はまっていることはありますか?

写メール。気が向いた時に撮ってるんだけど、もうたくさんたまっているよ。たまに劇団M.O.P.のホームページにアップしているんだけど、これが大変なんだよ。アップする作業が結構面倒くさい(笑)。見る方は簡単なんだけどねぇ。


───劇団M.O.P.のホームページで日記を掲載されていますが、パソコンはかなり使われるんですか?

ほとんど触らないね。自分のサイト「俺の部屋」を更新する時ぐらいだよ。メールは全て携帯だからね。俺の生活にはパソコン必要ない(笑)。だから、ネットなんかほとんどやらない。俺が行くのは劇団M.O.P..のホームページだけかも。
その時々で思いや気持ちはどんどん変化していくけど、その時その時に思っていることが大切なんだよ。
───「俺の部屋」は最近、写真付きで更新されていて楽しいですよね(笑)。楽しみにしてますので、更新がんばってください。さて、そろそろ終わりに近づいてきました。今、舞台役者を目指している方へ「舞台役者として必要なこと、大切なこと」をお願いします。

まず、一つ目の質問だけど、やっぱ自分じゃないかな。結局は、その人でしかないからね。その時々で思いや気持ちはどんどん変化していくけど、その時その時に思っていることが大切なんだよ。「舞台役者として必要なこと、大切なことは何か?」って、そのまま自分に聞いてみたらいい。結局、聞く人というのは、自分はこう思っているというのが必ずあるはずなんだよ。だから本当は自分でわかっていると思う。だから自分に聞いた方がいい。絶対、自分で知っているから。


───では、これから舞台を観ようと思っている方へ「お芝居の選び方」をお願いします。

俺は知っている人が出ている芝居を観に行くことが多いので、知っている人や自分の仲良い人に誘ってもらって観に行くのが一番いいかもね。あ、その前に劇団M.O.P.をぜひ観に来て欲しいですね。劇団M.O.P.からまず始めるというのもいいですよ。


小市慢太郎 ───そうですね、小市さんの舞台役者への第一歩でもある劇団M.O.P.の舞台で、小市さんの魅力を確認していただけるといいですね。


ま、みんな来てくれよ(笑)。


───現在、小市さんは、舞台『エレファントマン』の稽古中ですが、このインタビューがアップされた頃には公演真っ最中ですよね。最後に、読者の皆さんに『エレファントマン』について一言お願いします。本日はありがとうございました。

今回、メンバーが個性豊かで、みんな独自の世界を持っている人ばかりなので、稽古場はおもしろいです。稽古はまだ中盤だけど、手応えは充分は感じています。きっとおもしろいものをお届けできると思いますよ。地方もまわるので、ぜひ観に来てください。
★ 劇団M.O.P.ホームページ http://www.g-mop.com/
★『エレファントマン』ホームページ http://www.horipro.co.jp/elephant-man
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