小名浜港に着き、僚船から下りる第58寿和丸の乗組員=24日午前8時26分、福島県いわき市小名浜、細川卓撮影
小名浜港に着き、僚船から下りる第58寿和丸の乗組員=24日午前8時25分、福島県いわき市小名浜、松本英仁撮影
沈没現場付近で、黄色い浮きがついたロープの周辺を捜索する僚船=24日午前8時20分、千葉県犬吠埼沖、本社機から、飯塚晋一撮影
千葉県犬吠埼灯台の東約350キロ沖の太平洋で、福島県いわき市の巻き網漁船第58寿和(すわ)丸(135トン、乗組員20人)が転覆し、4人が死亡、13人が行方不明になっている事故で、4人の遺体と救助された3人を乗せた僚船の第6寿和丸が24日朝、同市小名浜の小名浜漁港に帰港した。
第6寿和丸は午前8時10分ごろに接岸した。漁港に集まった乗組員の家族が見守るなか、救助された3人は車で市内の病院に向かった。病院によると、いずれも手足に擦り傷などを負っているが入院の必要はないといい、福島海上保安部は3人から事故当時の状況を聴き始めた。
4人の遺体は船上で棺(ひつぎ)に納められ船から運び出された。その後、4台の車で遺族の待つ市内の斎場に移された。
第58寿和丸が所属する小名浜機船底曳(そこびき)網漁協によると、行方不明者の捜索は夜通し続けられ、この日朝からは青森県や静岡県などの漁協に所属する17船団53隻も協力しているという。現場海域からは、第58寿和丸のものと思われる衝突防止用のフェンダーや赤玉、いかりの一部、もりなどが発見されたという。
漁港の近くにあり、第58寿和丸を所有する水産会社・酢屋商店には、23日夜から乗組員の家族が次々と訪れ、野崎哲社長らからの説明を不安そうな面持ちで聞いていた。