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2008/06/24

最後の総会屋の最後

おいらのマスコミデビューは「総会屋」だ。

つうとまた誤解されそうなんだが、むかし、総合雑誌というのがありまして、A5判の活版印刷で、ちょっと小難しい時事解説とか記事がたくさん載ってるわけだ。目次のところに何故か「三井造船」とか「三菱重工」とか、やたら立派な広告が掲載されていたりする。あまり発行部数は多くないが、着実に一定数は売れている。バックに総会屋がいたりする事もあるんだが、とりあえず、アリバイ工作的に作られている総会屋雑誌とは違う。

で、そんな総合誌に「新評」というのがあったわけだ。で、新評があれば別冊新評もある。出版業界には「増刊と別冊の違い」というのがあって、増刊というのは何を出してもいいわけだ。「月刊釣りキチガイ」の増刊が「若奥さまの生下着」でも構わない。ところが、「月刊釣りキチガイ」の別冊というと、「月刊釣りキチガイ別冊」と大きくタイトル付けた上で、『若奥さまの生下着特集』とサブタイトル付けなくてはならない。なので、本誌とあまりかけはなれた特集は出来ないんだが、新評の別冊はそうでもなかった。結構ユニークな特集やっていて、「石井隆特集」なんてぇのもあったな。石井隆が売れたらしくて、「三流劇画の世界」という特集号が出た事があるわけだ。で、ネタがあまりに特殊なので、ライターがいなかった。つうか、その当時、漫画マニアは多けれど、エロ劇画なんか読んでいるヤツはほとんどいなかった。少女漫画好きが多かったな。

萩尾望都とか竹宮恵子とか。マニアの間では「少女漫画を読む前には手を洗おう、三流劇画を読んだら手を洗おう」と言われていたほどだ。で、漫画マニアの中でも異端児だったおいらに声がかかった。つうか、この当時、エロ劇画ネタで騒いでいるまはおいら一人で、相手してくれたのがコミケット主催者の米澤氏だけだった。ヤツは漫画だったら何でも好き嫌いを言わない男だったね。

で、「三流劇画の世界」という特集号は、実はおいらが騒いで、米澤氏が釣られて、それを新評社の編集さんが面白がって本にしてくれたわけだ。なので、二人で半分くらいも書いたかも知れない。やたら書いた覚えがある。おいらの場合、これがマスコミデビューだったんだが、ね。

この、新評なんだが、警察が総会屋潰しで、総合誌をみんな潰してしまったわけだ。一般書店に置かれて、少ないとはいえ数万部は売れていたのに、これでいくつもの総合誌が消えていった。まぁ、総会屋は決して善人ではないかも知れないが、ハゲタカ外資とどっちがマシかといえば、おいらにゃ判りません。

で、話は「最後の総会屋」の最後なんだが、



 小川薫がアーバンコーポレーションへの恐喝容疑で逮捕された。なんて間抜けな話・・・。恐喝未遂と言ってもたいしたことない予感。
二階堂.comで出てます。新聞でも報道されているようで、
 東証一部上場の不動産会社アーバンコーポレイション(広島市)に手紙を送り付け、暗に金を要求したとして、警視庁組織犯罪対策3課と麹町署は23日、恐喝未遂容疑で、東京都中野区中央、総会屋小川薫容疑者(70)を逮捕した。「手紙は送ったが、金は要求していない」と述べ、容疑を否認している。
という事なんだが、14日ごろ、「反社会勢力との関係を株主総会を通じて暴露する」という手紙を送りつけたというんだが、

--スルガコーポレーションが反社会的勢力とのお付き合いで、あれだけ世間の集中砲火を浴び、経営的に青色吐息の状態になっている中で、「反社会的勢力との関係を暴露する」なんて手紙を送りつければ、警視庁、アーバンコーポレイションの両者にとってはまさに「鴨ネギ」だ。

古参総会屋も齢を重ね、70歳になっていたわけだが、時代の流れを読み切れなかったのか。まさかネット上の噂だけでアーバンコーポレイションをゆすったのではあるまいな-仮に、そうだとしたら首を傾げたくなる。

というような事を言ってる人もいます。反社会的勢力との関係って、何なのかね? で、色々と探ってみるんだが、これ以上の情報はまだ出てないようです。で、この件と関係あるやらないやら不明なんだが、アクセスジャーナルでアーバンコーポレーションの話が出てくるわけだ。去年の話なんだが、アーバンコーポレイションの株主総会で、総会屋が取り上げていた本紙・山岡記事というものです。で、
今年6月28日に開催された、東証1部不動産会社「アーバンコーポレイション」(本社・広島市)の株主総会で、質問に立った総会屋が、本紙・山岡が執筆した記事(『財界展望』。03年4月1日号。写真)を取り上げ、アーバン側の関係者が3000万円出し、同記事掲載を見送るように画策したとの爆弾発言をしていたことが判明したので報告する。
結局、山岡俊介の書いた記事は掲載されているので、3000万というカネは動かなかったらしい。で、ヤクザが山岡を撃つとか編集長を拉致するとかいう話もあったというんだが、これが事件化する事はなかったんだけどね。

ところで、捕まったのは小川薫という人です。この人、
最後の総会屋と呼ばれてます。
実録・最後の総会屋 実録・最後の総会屋
価格:¥ 5,040(税込)
発売日:2003-05-25

Vシネマにもなってますね。御年70歳なので、もう先がない。最後の総会屋の最後というわけですか。この人、総会屋としては非常に有名で、モデルにした本も何冊も出ている。総会屋としては、立志伝中の人物です。で、Wikipediaによれば、
当時は今と違い総会は一年中開かれていた。また証券不況の時代で、株価は100円以下の会社が多くタバコ銭で株が買えた。久保祐三郎や糸山英太郎ら大物の芸を盗み、代議士上がりの栗田英男を師と仰いだ。また日経や会社四季報などを読み猛勉強。ハンデ師をやっていたので情報を覚える事は何ら苦にならなかったという。会社回りは最初は門前払いされる場合が多く、総会で発言する事がすべてだと痛感。発言するとその快感に酔い電器店は辞め総会屋業にのめり込んだ。新人が総会で発言出来るような状況では無かったものの、強引に発言を繰り返す事でやがて一目置かれる存在となった。
広島グループとして名を売ったらしい。で、ひと頃はピンクレディを抱える事務所のオーナーだった事もあり、有名なので警察に完全にマークされているわけだ。むかしは総会屋というのは半分くらい合法的なビジネスだったんだが、それが警察に目の敵にされて潰されるようになる。まぁ、アレだ、外資にとっては、総会屋なんて存在は邪魔だからね。アチラはカネを持った合法総会屋みたいなもんでありまして、で、このところ味噌つけっぱなしなわけだ。
1982年10月施行の商法改正で実質総会屋は締め出される事となった。これを機に小川も総会屋活動を中止した。小川自身は日本のラルフ・ネーダーになりたい、と自著で述べていた。しかしその後も見せしめに毎年総会シーズンになると微罪で検挙され、2003年恐喝未遂でまたも起訴、現在東京拘置所に服役中。ただしこれをデッチ上げとして獄中より訴訟を起こしている。
ピンクレディでは1000億稼いだというんだけどね。カネというより血が騒ぐのかね? それともカネを使い果たしたのか、総会屋には年金はないんだろうか。で、
実録 総会屋―超大物総会屋がすべてを実名で明かす「これが総会屋の真実だ」
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2003-11
というのが、本人が書いた本です。

で、Amazonのレビューから感想など。
戦後活躍した大物総会屋たちのエピソードがたくさん載っているので(もちろん小川の主観が入っているが)、総会屋の歴史に興味がある人には「資料」としてお勧めできる。が、いずれも古い話なので、一般向けにはお勧めしかねる。小川が「過去の人」だということを再認識した一冊。
別の見方もある。
この本は、自分で書くよりも宮崎学のようなその道の玄人作家がまとめるべきだった。かれは過去のひとではない。小川さんは必ず復活する!間違いない。
全国にはまだまだ小川ファンはいるぞ。天才的総会屋に拍手!!
まぁ、企業にとっては、ハゲタカ外資より総会屋を飼っている方が安くつくというのだけは言えそうなんだけどねw

コメント

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創価学会の勝手な応援団で文句があるか!―政治と宗教 (新書)
小川 薫 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/489374108X

総会屋雑誌と言えば、〔現代の眼〕〔流動〕〔マスコミ評論〕←(その後、噂の真相)が代表格でしたね。

思い出話はさておき、物言う株主さんが登場してきた時は、総会屋なのにいいんかなとは思いました。時代は変わる、を実感!した出来事でした。

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