きょう「慰霊の日」 沖縄戦犠牲者悼む
きょう二十三日は「慰霊の日」。太平洋戦争末期の一九四五年、住民を巻き込んだ地上戦となった沖縄戦で、旧日本軍の組織的戦闘が終結した日から六十三年。県民の四人に一人ともいわれる犠牲者を悼み、多くの命を奪った史上最悪の経験から学び、平和を希求する日として、県内各地で慰霊祭が執り行われる。
戦争体験の風化が進む中、軍隊や戦争を正当化する動きが、国内で活発になっている。
文部科学省は昨年三月、二〇〇八年度から使用される高校の日本史教科書から沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」に対する日本軍の強制を示す記述を削除させた。
昨年九月に約十一万人規模の県民大会が開かれ、文科省へ削除撤回を要求。文科省は日本軍の関与の記述復活を認めたものの、「強制」については依然削除されたままだ。
文科省の教科書問題をめぐっては、〇六年用中学歴史教科書検定で「従軍慰安婦」や「住民虐殺」の記述が消えるなど、戦場における軍隊の加害性についての削除が相次いでいる。
糸満市の平和祈念公園ではきょう、沖縄全戦没者追悼式典が行われる。福田康夫首相は就任後初の参列。仲井真弘多県知事は平和宣言を行う。関係者らが列席し、正午の時報とともにすべてのみ霊に黙とうをささげる。