2008年03月09日
「指針 あがないの秘跡」を受けて
３月９日（日）に所用のため、『四旬節第５主日』のミサは、８日（土）夕のミサに与る御恵を頂いた。このミサにおいて、司式される主任司祭の変化を見逃さなかった。それは、「ミサの祭儀の聖別の時」のことである。
従前、我が主任司祭は、「主イエスはすすんで受難に向かう前に、パンを取り、感謝をささげ割って弟子に与えて仰せになりました。『皆、これを取って食べなさい。これはあなたがたのために渡されるわたしの体である。』（第二奉献文）」と唱える中で、「割って」の言葉に合わせて、ホスティアを二つに割っていたのである。それが、このミサでは、二つに割ることはなくなったのである。
ミサ後、司祭事務室に飛んでいき、そのことを早速伺った。主任司祭がおっしゃるには、「『通達』が出されたのですよ」とのこと。これは、２００４年３月２５日、教皇庁典礼秘跡省から出された『指針あがないの秘跡』に従い、何らかの通達が出されたことをおっしゃっているのであろうか。
当指針には、次のようにある。
「55 地域によっては、ミサの祭儀の聖別の時に司祭がホスティアを裂くという誤用が行われてきた。このような誤用は教会の伝統に反するものである。それは退けられており、早急に正されなければならない。」（『指針 あがないの秘跡』（発行：カトリック中央協議会）p.50）
当指針を受けて、日本カトリック司教協議会も「早急に正さなければならない」との指示に従い、ようやく重たい腰を上げたのか……。普段は無口で失礼ながらぶっきらぼうな印象を与えていらした司祭であるが、この夕の口は軽かった。神学校で教わり、数十年続けてきた「ホスティアを裂くという誤用」を今回、この『通達』に従い改められたそうである。「この『通達』は、教会宛に出されたもので、自分に出されたものではないですよ。自分はそんなに偉いわけではないですから。」と軽口も飛ばされていた。
更に、日本の教会において広く行われている誤用−司祭からホスティアを手に受けた拝領者がカリスの前に列をなし、拝領者自らカリスに指を突っ込み御血に浸し、ポタポタと御血が垂れるホスティアを頂く方法−も、今回、同指針に従って日本カトリック司教協議会でも見直しが行われ、近日中には、この誤用の禁止が明らかにされるとのことである。つまり、教皇庁に出されていた日本カトリック司教協議会からの申請が承認されなかったということなのであろうか？
「103 『ローマ・ミサ典礼書』の規則は、両形態による拝領が行われる場合には、『御血は、直接カリスから飲むか、あるいはパンを御血に浸すか、あるいは管を用いるか、あるいはさじを用いて拝領することができる』という原則を認めている。（以下略）」
「104 拝領者は自分でホスティアを御血に浸すことや、御血に浸されたホスティアを手で拝領することを許可されてはならない。（以下略）」（同書p.69）
『カトリック中央協議会』のサイトによれば、明日、３月１０日（月）には「典礼委員会 定例会議」が開催されることになっている。この会議で、この２つの大きな誤用の禁止について触れられ、一般信徒の耳にも、そのことが耳に入ってくるのであろうか？
ちなみに、８日のミサでは、両形態による拝領が行われた。いつも自分はホスティアのみの拝領であったが、少人数の参列者と言うこともあり、拝領行列の最後尾に並び、他の信徒がポタポタと御血を垂らしたホスティアを頂く中、直接カリスから御血を頂いた。
この司祭との質疑の中で、「では、これからはどのように御血を頂くのですか？」と問うた方がいた。司祭は「直接カリスから頂くのです。」とお答えになった。「そう、頬白親父のように」と付け加えると、「そうそう、頬白親父さんは直接カリスから頂いていましたよね……。」ですって。見ている人は、見ている。そして、神もご覧になっていらっしゃるはずである。
これで、以前、拙ブログでも活発な意見交換が行われた問題もひとつの回答を得ることができそうである。（２００７年１０月２日付け「「教皇庁典礼秘跡省指針『あがないの秘跡』翻訳出版にあたって」 Part７」（http://blog.livedoor.jp/kasahara_7524/archives/51155055.html#comments））
当時、数度にわたり、貴重なコメントを頂いた「新潟司教」様には、今回の司教協議会の決定を分析していただけるとありがたい。。
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この記事へのコメント
おっしゃるとおり、
HN「新潟司教」様、
must not be permitted と is forbidden
の語法の違いを理由に、
「そのうち、使徒座が認めるのだから（断定）、いいではありませんか」と、書かれていた「在欧日本人」の方、
ご意見を聞きたいです。
頬白さん、J.G. さん、とりあえず、いい方向に向かっているようで、よかったですね。
大阪教区典礼委員会の主催する典礼講習会で、『ミサ典礼書総則<暫定版>』をテキストに、
各項目を守るようにと、指導されています。
これは、さいたま教区が学ぶべきことだと思います。
私の小教区では、『総則』にこうありますが・・・、と申し上げると、
あなたが抵抗があるならやめればいい、
と言ってくださっても、
「小教区の伝統」が、変わることは・・・・、
山が動くほど難しそうです。
まだ教会に通って間もないのですが
前の神父は 割っておられなくて、
現在はお二人ですが おひとりの神父は
割っておられるようでした。
そして普段は両形態による拝領はないので
私は カリスの御血を頂いたことがありません
でも 松浦司教が懇話会をしてから
今後 信徒が聖体拝領をすることや
両形態を増やしていこうということになりつつ
あり、ポタポタと御血が垂れるホスティアを頂く方法で いいじゃないかという意見が
出ているようです
管理人さんが、この記事に書かれた『指針 あがないの秘跡』第55項の誤用は、私は見たことがなかったです。
でも、管理人さんのところの主任神父様は『通達』により、即座に改められて・・・、感心します。
大阪ではセルフ・インティンクションをやっていないところもあったのですね！！驚きでした。
私のところなど、数年前から今までほとんどの主日と、現在は早朝ミサもだそうです。（私は、早朝ミサには与っていません。）子どもにも・・・。
もっとも、セルフ・インティンクションは、拒否する自由はあるので、私は拒否してきました。カリスからの拝領の経験もありません。手でいただいていないので、合掌していると、神父様が御血に浸して拝領させてくださることは、ありますが・・・。