飛騨牛偽装:「社長の説明、事実と違う」…従業員が会見へ

 岐阜県養老町の食肉卸売会社「丸明(まるあき)」が規格外の質の牛肉をブランド牛「飛騨牛」として販売していた問題で、丸明の吉田明一社長が偽装問題を「店長判断」「現場で起こったミス」などと説明しているのに対し、「偽装は社長の指示」などと訴えている同社従業員らが、指示の実態などを説明するため記者会見を開く考えであることが23日、分かった。

 吉田社長は問題が発覚した21日朝、報道陣に対し「会社として偽装は一切しておらず、店長の判断で勝手に表示を偽装していた」と説明。これに対し、従業員らは本社前で吉田社長と会い「偽装表示は社長の指示。従業員だけのせいにするのは経営者として間違っている」などと反発した。

 その後、吉田社長は会見を開き「3等級の肉に2等級の牛を示すラベルを張ってしまうミスがあった」と述べ、偶発的な事故との趣旨に説明を変えた。だがこの説明についても、従業員らは「事実と異なる説明で、納得がいかない。会見で社長だけの意見を伝えるのは不公平だ」として、従業員としても記者会見を開く方向で調整を進めている。

 従業員側は、吉田社長に両者で共同の記者会見を開くことも提案したが「面白おかしく報道されてしまうので真実が見えなくなる」などと拒否されたという。【山田尚弘】

毎日新聞 2008年6月23日 15時00分(最終更新 6月23日 15時00分)

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