「北朝鮮軍所属工作員が脱北者に偽装しスパイ活動」
北朝鮮軍情報保安機関に所属した工作員が脱北者に偽装し、亡命した後、1年3か月間国内でスパイとして活動してきたことが明らかになったと、中央日報が2日付で報じた。
同紙によれば、匿名希望の政府の中核当局者は1日、「関係当局が昨年1月、中国経由で韓国入りした脱北者のイ某(28)容疑者の身柄を確保し、調査した結果、スパイ容疑が明らかになり、今年7月、国家保安法違反容疑で検察に不拘束送致した」と明らかにした。
脱北者として韓国入りし、韓国国籍を得てスパイ活動をしたのが明らかになったのは今回が初めて。
当局者によれば、北朝鮮軍第11保衛司令部所属の工作員、イ某容疑者は2002年11月、中国北京の韓国大使館領事部に他の脱北者と一緒に駆け込み、韓国行きを要求した。
2か月後、東南アジア国家を経由し韓国入りしたイ容疑者は、脱北者尋問機関「テソン公社」に対する情報を収集するなど、スパイ活動をした。「テソン公社」は国軍情報司令部が運営する。
また、最高の保安が求められる「カ」級の国家保安設備である脱北者定着支援施設「ハナ院」の位置や警戒施設などに対する情報を収集した。
イ容疑者は今年4月、北朝鮮の家族に会うとし旅券の発給を受け出国した後、保衛司令部の工作ルートである朝中国境から北朝鮮に入り、北朝鮮軍国境警備総局保衛部長に韓国で確保した機密を書面で報告したものと、関係当局は把握している。
また、4月末から5月初めまで、平安(ピョンアン)南道・ピョンソン市に位置する国境警備総局の招待所で、保衛司令部所属の対南工作指導員(工作名:ハン社長)にも情報報告した。
その後、イ容疑者は5月7日から10日間、平安北道・新義州(シンイジュ)市にある招待所で対南工作指導員から密封教育を受け、工作暗号名(127)と秘密通信用の約定隠語をもらった。
北朝鮮当局はイ容疑者に脱北者同士会と統一関連団体に加入し活動した後、会員証など証拠物を持って再度北朝鮮入りするよう指令を下したことが分かった。
イ容疑者は中国経由で5月19日、仁川(インチョン)港に到着した後、「無事到着した」という報告を中国内の北朝鮮工作網に送った。
同紙によれば、関係当局者は「イ容疑者が6月初め、心境に変化を起こて関係機関に自首、2週間にわたる捜査で事件の全貌が明らかになった」とした。
咸鏡(ハムギョン)南道出身のイ容疑者は穏城(オンソン)郡の国境警備隊所属の下士として勤務していた1997年6月に脱北したが、中国公安当局に捕まり強制送還された。
北朝鮮当局はイ容疑者に処罰すると強迫しながら、忠誠の誓いをさせた後、工作資金を提供し、「中国内の南朝鮮関係機関の反共和国活動状況と反金正日陰謀を捜索せよ」と指示した。
これを受け、イ容疑者は2002年2月から同年11月まで、中国内で脱北者の動向を監視し報告する工作活動をしており、北朝鮮側の指示に従い、対南工作のため、駐中韓国大使館領事部に偽装亡命した。
同紙によれば、イ容疑者は1日夜、中央日報記者との電話インタビューで、「スパイ活動をしたり、自首したことはない」とした。しかし、イ容疑者は「検察公安部で調査を受けているのは事実だが、具体的には話せない」とし、電話を切った。
北朝鮮当局が韓国社会に対するスパイ活動のため、工作員を直接侵入させた事例が明らかになったのは、2000年6月15日の南北共同宣言以来、これが初めて。
政府と国家安保会議(NSC)は関係当局から脱北者スパイ検挙の通告を受けていたにも関わらず、4か月以上もこれを公開せず、隠してきたと同紙は報じた。
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