【ソウル=牧野愛博】韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は19日、記者会見を開き、米国産牛肉の輸入制限撤廃に端を発した政府批判に対し、「子どもの健康を心配する母親の気持ちを思いやれなかった」などと述べ、国民に謝罪した。
李氏は今月10日、大勢のソウル市民らが、ろうそくを手に参加した抗議集会の模様を、大統領府裏手の山から眺めていたと告白。「暗闇の中、街を埋めたろうそくの火の行列を1人で見ながら、国民を安心させられなかった自分を責めた」と語った。
そのうえで、「国民が望まない生後30カ月以上の米国産牛肉が決して食卓に上らないようにする」と説明。閣僚級にあたる大統領府首席秘書官などの人事は20日にも、内閣は来週中にも改造することを約束した。
ソウル市内の抗議集会は今週に入り、警察推計で500〜1千人規模にとどまっている。韓国政府関係者は「米国との牛肉追加交渉に成功すれば、あとは終息に向かうのではないか」と話した。