[大阪駅通り魔]露出の腕狙う？…３人軽傷

　ＪＲ大阪駅で２２日昼、大阪環状線ホームなどにいた女性３人が切られて軽傷を負った通り魔事件で、３人は半袖、ノースリーブ姿で、露出した上腕を直接切られていたことが、大阪府警曽根崎署捜査本部の調べで分かった。現場には当時、多くの乗降客がいたが、刃物を所持した不審者の目撃情報がないことも判明。捜査本部は、何者かが殺傷能力の低い小型刃物を手に隠し持ち、女性の上腕部を狙った可能性もあるとみて調べている。

　調べでは、最初に同ホームへ上がるエスカレーター近くで被害に遭った女子大生（２０）は黒い帽子をかぶった人に体をぶつけられ、腕を見ると赤くなっていたという。２人目の被害者の会社役員（５２）はエスカレーター上で追い抜かれる際に切られ、傷口は６センチに及んでいた。３人目の女子大生（２０）は同ホーム中央付近で、縦に１２センチにわたって切られ、深さが１センチに達する部位もあった。

　また、２人目と３人目が襲われるまでに４分かかっていることが、防犯カメラの映像記録から分かった。両現場間の距離は約５０メートル。３人目は電車に乗る直前に襲われており、捜査本部は、何者かがじっくり物色して狙ったとみている。

　複数の防犯カメラに映った不審者は当初、女と見られていたが、捜査本部は、体格や格好などから男の可能性もあるとみている。捜査本部は映像の詳細な解析を急いでいる。【小林慎】