今度こそは実現するのかと関心を持っていたが、国会への法案提出は見送られた。サマータイム制度である。
夏季に時計の針を一時間進め、昼間の明るい時間を有効活用することで、省エネや仕事の後の余暇時間の拡大を狙う。三年前、超党派の議員連盟によって法案ができたが、郵政民営化法をめぐる混乱で休眠状態になっていた。
それが地球温暖化対策を主要議題にする七月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を前に、再び動きだした。五月に議員連盟が活動を再開し、福田康夫首相も実現に賛意を示した。当初は会期内の法案成立も目指していたが、慎重論もあって次期臨時国会で仕切り直すこととなった。
昼間の時間が最も長い夏至の二十一日、岡山市では午前四時五十一分に日が昇り、午後七時二十一分が日没だった。時計を一時間進めれば、涼しいうちに仕事が始められて快適な感じがする。帰宅しても明るければ、散歩もできそうだ。
慎重派は「余暇時間が増えれば消費が増えて、省エネにならない」と指摘する。日本睡眠学会は睡眠障害などによる医療費の増加、経済的損失が大きいとして導入反対を声明した。
ここは論議をさらに深める必要があるだろう。もっとも、サミットが終わっても、導入機運が盛り上がっていればの話だが。