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週刊東洋経済

オール投資

ガソリン高騰でクルマ社会アメリカに変化のうねり(2) - 08/06/19 | 15:00


 米連邦高速道路局(FHWA)の統計では、今年3月の交通量は前年同期に比べて4.3%減少している。その反面公共交通機関の利用は伸びている。サンフランシスコとサンタクララバレーを結ぶ鉄道・カルトレインを月曜から金曜に利用する数は、今年2月の対前年比で9.3%増えた。アムトラックも同様、西海岸で過去3カ月対前年比で9.5%、利用者が増えている。こうした公共交通機関利用増から、南カリフォルニアでは、2時間半でサンディエゴ、ロサンゼルス、サン・ルイス・オビスポ間を結ぶ高速列車の運行が5月に検討された。

 米エネルギー情報局が9日発表した、全米平均ガソリン価格は4.039ドル(1リットル当たり約112円)。しかし、ガソリン価格がどこまで上がるのだろうか。米証券大手モルガン・スタンレーは、ガソリン価格の7割を占める原油価格が来月に150ドル台になると予測。これをガソリン価格に換算すると7月に4.50ドル。数年以内に、7ドル、いや8ドルまで上がるというアナリストもいる。

 「原油の希少性のため、たとえ消費が減っても、石油会社は今までの利益を得ようと価格は下げず、ガソリン価格は引き続き上昇し続けるだろう」と、富裕層向け金融コンサルタント会社・A.J.ソンセーリー社のアル・ソンセーリー社長はいう。中国、インドなどの石油消費量が急増中の一方、世界的に石油生産量は増えていない。アメリカではすでにガソリン価格から、飛行機の燃料特別付加運賃(燃油サーチャージ)、公共料金、トウモロコシを始めとする食品価格が上昇。これからはインフレだけでなく、失業も増えていくだろう。ガソリン高騰は公共交通機関が発達していない米国中西部の農家の家計を圧迫、借金する者も増え、ガソリンの盗難事件まで起こっている。地方から都市へ移ることを考える人も出てきたという。

 ガソリン高騰をきっかけに、アメリカのライフスタイルは変わりつつある。大都会への人口集中が進み、公共交通機関を利用し、小型車やバイク、自転車を利用し、経済的に余裕がある者はエレクロトニック・カーに乗る。こうした流れを受けて、シリコンバレーではエネルギー価格高騰を見越した、電気自動車や電気オートバイなどの起業や、投資家やVC(ベンチャー・キャピタリスト)たちによる代替エネルギー事業投資が一段と活発になっている。
(Ayako Jacobsson =東洋経済オンライン)
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