【パリ福井聡】フランスを訪れる中国人観光客が激減し、仏政府が「中国当局の指示によるものだ」として抗議する騒ぎに発展している。パリでの北京五輪の聖火リレー妨害や、パリ市長がチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世に名誉市民の称号を贈ったことの余波とみられ、中国側も暗に指示を認めている。
仏外務省のアンドレアーニ報道官は「フランスを目的地から外すよう北京の旅行会社に市当局から指示が出ていると聞いている。事実なら憂慮すべき事態で中国当局に再考を求めている」と指摘した。これに対し、中国外務省の秦剛副報道局長は会見で「フランスが(対中関係改善に)役立つことをして多くの中国の観光客を引きつけるよう希望する」と述べ、仏旅行の見合わせ指示を示唆した。
フランスは中国人にとって欧州で最も人気のある旅行先で、昨年は計70万人が訪問。しかし、仏国内の中国系旅行代理店関係者によると、パリでの聖火リレー妨害があった4月以降、中国人観光客は前年比で7割減という。
毎日新聞 2008年6月21日 19時55分