八王子スーパー強殺:溶接作業従事か 犯人足跡から鉄粉

事件があったスーパーナンペイの場所
事件があったスーパーナンペイの場所

 東京都八王子市のスーパーナンペイ強盗殺人事件で、現場の足跡に、溶接作業時などに飛散する鉄粉が付着していたことが、警視庁八王子署捜査本部の調べで分かった。また、被害者を縛った粘着テープに指紋の一部が残されていた。捜査本部は、犯人特定につながるものとみている。

 調べでは、足跡は、事件現場のスーパー事務所内で約10個採取された。捜査本部が足跡のあった床の付着物を調べたところ、微細な鉄粉と粘土、コケが採取された。鉄粉は溶接の際に飛散したとみられる。捜査本部は、犯人が溶接作業に従事していたか、鉄工所などに出入りしていた可能性があるとみている。

 また、靴底は広島県内のゴムメーカー製で、運動靴など約30種類で使用されていた。多摩地区では、パルコの吉祥寺店、調布店などで1万~1万5000円で販売されていた。

 一方、被害者を縛った布製の粘着テープには、犯人のものとみられる指紋の一部が付着していた。事務所内の机には手袋痕もあり、犯人が粘着テープを使う際、手袋を脱いで素手で扱った可能性がある。テープはニチバン社製で、事件の約2カ月前から東京、埼玉、千葉、神奈川、山梨のコンビニエンスストアなどで販売されていた。

 【ことば】八王子スーパーナンペイ強盗殺人事件 1995年7月30日午後9時15分ごろ、東京都八王子市のスーパー「ナンペイ」大和田店の2階事務所で、パートの稲垣則子さん(当時47歳)と、いずれもアルバイトで高校2年の前田寛美さん(同16歳)、矢吹恵さん(同17歳)の3人が拳銃で射殺された。金庫に銃弾1発が撃ち込まれていたが、売上金など約500万円はそのままだった。

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警視庁八王子署捜査本部(042・646・4240)

毎日新聞 2008年6月22日 0時00分(最終更新 6月22日 0時00分)

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