姫路・西播磨
連続講演会「みんなで考える救急医療」始まる
現場の医師が救急医療の窮状を訴え、市民の協力を呼び掛けた=姫路市西延末 |
救急医療の崩壊を食いとめるため、適切な医療機関の利用を呼び掛ける連続講演会「みんなで考える救急医療」が二十一日、姫路市文化センター(西延末)で始まった。医師らが窮状を訴え、約三百八十人の市民が耳を傾けた。(大島光貴)
昨年十二月に救急患者が十七病院に受け入れられず死亡した問題を受け、市と市医師会が企画した。十二月まで市内十三カ所で開催する。
講演会で、市消防局の担当者は、昨年の市内の救急搬送件数は約二万三千件で、十年前の一・七倍に増えたと報告。半数は入院が不要な軽症者だったといい「不要不急の一一九番は控えて」と訴えた。
続いて、開業内科医の吉川誠之さんが講演。入院が必要な患者を受け入れる二次救急病院が減り、休日・夜間に交代で空きベッドを確保する輪番制度の一角が崩壊しつつある現状を報告した。
特に小児科では、昨年、姫路赤十字病院が時間外外来(一次救急)を廃止したのに、市休日・夜間急病センターの患者数が予想に反して増えなかったと指摘。「緊急性の低いコンビニ受診が多かった可能性もある」とした。
その上で、市民自らが医療機関の負担を減らすためにできることとして「ゼロ次救急」を提案、子どもの発熱時の冷静な対処などを呼び掛けた。また、自動体外式除細動器(AED)の使用法を覚えることも大切-と強調した。
(6/22 11:28)