2008年06月19日
わたしのもとに来なさい
警察庁では、『平成１９年中における自殺の概要資料』（http://www.npa.go.jp/toukei/chiiki10/h19_zisatsu.pdf）を発表し、６月１９日（木）には、次のとおり、各社がその記事を報じている。
讀賣新聞「自殺者、１０年連続で３万人超…３０歳代は過去最多」
（http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000016-yom-soci）
朝日新聞「自殺者１０年連続で３万人超す 高齢者や働き盛り増加」
（http://www.asahi.com/national/update/0619/TKY200806190066.html?ref=rss）
毎日新聞「＜自殺者＞１０年連続で３万人台 高齢者と３０歳代増加」
（http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080619-00000025-mai-soci）
産経新聞「自殺者１０年連続で３万人超…昨年は過去２番目」
（http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080619/crm0806191025006-n1.htm）
日本経済新聞「自殺者、10年連続で３万人超す 07年、警察庁まとめ」
（http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080619AT1G1804819062008.html）
平成１９年中における自殺者総数は３３，０９３人。前年に比べ９３８（２．９％）増加している。
これで、平成１０年に３万人を超えて以降、１０年連続で３万人を超えていることになる。
また、平成１５年に３４，４２７人の記録に次いでの記録である。
３０歳代４，７６７人、４０歳代５，０９６人と働き盛りの年代の方でこれだけの方が犠牲となっている。
平成１８年には、年間の自殺者数が３万人を超える状況に対処するため『自殺対策基本法』が公布（６月２１日）、施行（１０月２８日）されている（http://law.e-gov.go.jp/announce/H18HO085.html）。
同法は、「自殺対策に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、自殺対策の基本となる事項を定めること等により、自殺対策を総合的に推進して、自殺の防止を図り、あわせて自殺者の親族等に対する支援の充実を図り、もって国民が健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする」（第１条）である。
そして、国の責務（第３条）、地方公共団体の責務（第４条）及び事業者の責務（第５条）を定めるとともに第６条には国民の責務として、「国民は、自殺対策の重要性に対する関心と理解を深めるよう努めるものとする。」と定めている。
国及び地方公共団体には、調査研究等の推進（第１１条）国民の理解の増進（第１２条）、人材の確保等（第１３条）、心の健康の保持に係る体制の整備（第１４条）、医療提供体制の整備（第１５条）、自殺未遂者に対する支援（第１６条）及び自殺者の親族等に対する支援（第１７条）等の基本的施策を進めるとともに民間の団体が行う自殺の防止等に関する活動を支援するために必要な施策を講じることが求められている（第１９条）。
心のケア、特に働き盛りの壮年・婦人方の毎日の忙しい生活の中での「一休み」を提供することができるのは、我々の教会ではないであろうか？また、信徒とすれば、そのような役割こそ教会に期待しているものである。
しかし、残念なことに多くのカトリック教会では３０〜４０歳代の信徒の方を見ることができない。日本カトリック司教団も政治問題にばかりに狂騒するのではなく、このような『心の問題』にこそ、積極的な姿勢を示すべきである。
実際、「ワーキング・プア」のような自分には、「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」（マタイ１１．２８）と優しい言葉をお掛けくださる主イエズス・キリストだけが頼りである。
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この記事へのコメント
物質的にはそれでもはるかに恵まれていた方でしょう。問題は霊的貧困なのです
カトリック教会がまともに取り組んでいたら、自殺者を一人でも食い止めることができたかもしれません。ずっと横這いの趨勢を取り戻すことができたかもしれません。癒しスポットとは語弊がありますが、街中の教会にはその「静謐」の場に惹かれてくる方は多いのです
信じるものは違いますが、五木寛之氏の
「生きるヒント」や「不安の力」などが如何に多くの人を救ったかを考えるにつけ、我々の非力さを感じます
そこでバンブーミサなどやってた今、死せんとする魂をもった彼らには寄る辺もなく、また既にこの世を去った多くの方々の魂に失礼を犯している気がしてなりません
そんなことは、信徒に任せれば良かったのです。聖職者は、本職を疎かにしてきたのです。
自殺者の報道を聞き、他人事として聞いていたのではないでしょうか？
我が痛みとして聞いていたなら･･･。
キリストの救いを宣べ伝えることを もっと大切にしてきていたら･･･と残念です。
平和！平和！と叫ぶところに平和があるのではなく、一人ひとりを大切にするところに平和があるんだと思います。