地域の医師不足について考えたシンポジウム
医師不足など医療の課題や解決策を探る県主催のシンポジウム「ともに考えよう、わたしたちの地域医療」(信濃毎日新聞社など共催)は21日、松本市の県松本文化会館で開いた。約500人が現状を聞き、それぞれに何ができるかを考えた。
パネル討論で、県地域医療対策協議会の中村雅代委員は病院勤務医の不足について「勤務医の過酷な労働の背景には、総合病院に集中する患者側の問題もあるのではないか」と指摘。信大病院の小池健一院長は「かかりつけ医を持つほか、保護者は子どもの急病の対処法を頭に入れておく必要がある」と話した。
岡田隆志弁護士は、医師不足の背景の一つとされる医療訴訟の増加について、医療ミスがあれば損害賠償を求めるのは当然の権利−とした上で「不要な訴訟を減らすには、医師はできるだけ事実をオープンにし、患者は感情的にならず冷静に事故と向き合わなければいけない」と述べた。