ワシントン(CNN) 米国防総省高官は20日、イスラエル空軍が6月2日、地中海東部で大規模な演習を実施したと述べた。イランの核関連施設への空爆能力を同国へ誇示することが狙いと受け止めている。
演習の実施は最初、米紙ニューヨーク・タイムズが報じていた。国防総省高官によると、演習にはF15、F16の両戦闘機、空中給油機など数十機が参加。これだけ大規模の機数の出動は、近隣諸国の注意を引くのを承知した上での行動としている。
演習で戦闘機などは数百キロを飛行しており、イラン空爆に踏み切った場合、イスラエルから核関連施設までの距離とほぼ同数とも分析している。イランは、ナタンツなどにウラン濃縮施設を保持している。
イスラエルでは、イランの核開発問題に絡み、空爆必要論がくすぶっている。モファズ副首相兼運輸相は6月初旬、「イランの核計画を中断させるためには攻撃しか選択肢がない」との考えを示していた。イスラエルのオルメルト政権の閣僚がイランへの攻撃の必要性をこれほど直截な表現で示したのは初めてだった。
同国は昨年9月、シリアが北朝鮮の支援を得て建設していた核施設を空爆で破壊。1981年には、当時のイラク・フセイン政権が建設していた原子炉を空爆したことがある。