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2008年6月22日

 自民党の麻生太郎前幹事長の漫画好きは有名だが、民主党の小沢一郎代表もそうだとは知らなかった。人気の長期連載漫画「浮浪(はぐれ)雲(ぐも)」から10作品を選んだおすすめ本が出版される

幕末の江戸・品川宿の遊び人が主人公の、つやっぽい漫画である。小沢さんの印象とはおよそかけ離れた人物と物語。そういえば、麻生さんの愛読書も、国際社会の裏舞台に暗躍する殺し屋「ゴルゴ13」の物語である。自分とは正反対のものに、人は素朴なあこがれを抱くのだろう

小沢さん推薦の主人公は、道行く女性に、やたら「あちきと遊ばない」と声をかける。時が時だけに、有権者に作り笑いをする党首の姿がだぶってくる。漫画好きという告白も、選挙対策の変化球くさい

「浮浪雲」も「ゴルゴ13」も、1話完結の連作である。次々と起こる厄介事や難事件を、主人公はさらりと解決して次へ進む。政治の世界ではおよそ望めない都合の良い展開と、幸運な結末。それも、大物の心をとりこにするのだろうか

政治家が日本の優れた漫画に肩入れするのは大賛成である。が、政治が漫画になってしまうのは困る。


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