「集団自決」問題 県民大会で共有/宮城晴美さん講演
沖縄女性史家の宮城晴美さんが二十日、那覇市ぶんかテンブスホールで、沖縄戦時下の座間味島で起きた「集団自決(強制集団死)」について講演した。一フィート運動の会設立二十五周年企画の一環。約九十人が聞き入った。
宮城さんは、娘の目から見た母親の苦しみや葛藤、住民の苦悩に加え、研究家として調べた史実や証言、分析を基に「集団自決」に関して説明。役場職員や指導的立場の人がほぼ全員亡くなっていること、犠牲者の多くが女性という独自調査も例に挙げ、軍命によって、強い者から弱い者へ重層的に力が働いて起きた、と話した。
また、昨秋の県民大会に十一万人が集まったことに触れ「慶良間だけで背負い込んでいた問題を県民が共有し、島の人を救ってくれたと思う」と述べ、「沖縄戦を風化させないようにしたい」と呼び掛けた。