秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大容疑者が、「犯行予告」をしたのとは別の携帯電話サイトに昨年8月から今年1月にかけて、1000件以上の書き込みをしていたことが分かった。
「誕生日までに彼女できなかったら死にます。もう時間ないです。焦ってます」などと、25歳の誕生日を強く意識し、女性と交際できないことへの鬱憤をぶつけた内容で、屈折した恋愛観が読み取れる。
新たに見つかったのは、加藤容疑者が犯行直前まで書き込みを続けた携帯サイトと同じ系統の掲示板。昨年8月上旬、「がんばっても彼女が出来ない件」とタイトルを付け、出会い系サイトを利用して彼女を探していることも告白。だが、「メールは少なくとも1000通送ってる。彼女はおろか、女性と会うことすらできなかった」と、失敗談を紹介していた。
そして「成長しない→魅力がない→彼女いない→成長しない 見事な悪循環スパイラル」と自己分析。自ら性体験がないことも「俺は一生童貞でいる。童貞最高」と自嘲(じちょう)気味に書き込んでいたが、恋人が欲しい理由は童貞を捨てるのではなく、「自分の存在価値を確かめたい」と明かしていた。
職場環境について「話しかける相手がいない。知ってる女の人がいない」と出会いのきっかけが皆無だったことも嘆き、「寂しいものは寂しい。街のカッポゥ(カップル)を片っ端から殺したい」と、8月の時点で殺意に満ちた言葉もあった。
1月中旬の書き込みでは「男性の二極分化について」と題し、「富豪と貧民。イケメンとブサイク。ハーレムと童貞。中間は、無い」と断言するなど、次第に絶望感を漂わせる書き込みに変わっていった。
加藤容疑者の書き込みについて、約500人の性体験がない男性らを束ね、出会いのきっかけを見つける運動を展開する全国童貞連合(東京)の渡部伸会長(35)は「ネットでは童貞が、からかわれる対象となっている。中でも25歳を超えて体験がない場合、『魔法使いになれる』といううわさが独り歩きし、激しく揶揄(やゆ)される」という。
事実、加藤容疑者も「もうすぐ魔法が使えるようになる」と、25歳というターニングポイントを意識した書き込みを何度もしていた。
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