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話題の「姫ギャル」とは?ギャルの歴史を紐解きながらその正体に迫る

話題の「姫ギャル」とは?ギャルの歴史を紐解きながらその正体に迫る
小悪魔 ageha (アゲハ) 2008年 07月号 [雑誌]
 「ポストエビちゃんは?」と言われ続けて早2年。未だに、エビちゃんクラスの求心力を持つモデルが現われていないのですが、ここにきて、勢いをみせているのが姫系ファッションです。東京カワイイ★TVの第3回は「姫スペシャル」でしたし、「春のファッション、 10代では“姫カジ”が熱い」というオリコンの記事もありました。ティーンズだけではなく、20代も読むファッション誌JJも「姫サバ」という言葉を作り、姫テイストを取り入れているのですが、この姫系ブームの象徴的存在といえるのが、姫ギャル誌小悪魔ageha。今や35万部(公称)を発行し、飛ぶ鳥を落とす勢いなのです。 日経エンタテインメント !7月号の特集「雑誌を面白くする3つのキーワード」でも、「姫ギャル誌」がそのキーワードの1つとし大きく取り上げられているのですが、姫ギャル誌の現状は日経エンタテインメント !7月号で確認して欲しいとして、私の方では、ギャルの歴史を紐解きながら、話題になっている「姫ギャル」の正体に迫ってみたいと思います。


■姫系ファッションには大きく分けて3つある

 姫系と一口にいっても、姫系は一枚岩ではありません。おおざっぱに、次の3つに分けることができます。

1. Ray・CanCam的姫ファッション

いわゆる「お姉系」のことで、姫は「かわいい」程度の意味。大枠では、 1993年頃から続くプリコン(プリティコンサバティブ)に含まれ、可愛らしさを売りにする日本独自の大人のコンサバ系ファッションです。いわゆる、名古屋嬢・神戸嬢ファッションもここに含まれます。

2. KERA的姫ファッション

白ロリ・甘ロリと呼ばれるスタイルの亜流で、ロリータ要素の強いスタイルです。80年代のMILKやピンクハウスにルーツがあると言われているのですが、2000年に入り、いわゆる、ゴスロリ系と混同されるようになり、一気に一大勢力に。

3. 小悪魔Ageha的姫ファッション

小悪魔Agehaが開拓したスタイル。大まかに説明すれば、 1のRay・CanCam的姫ファッションと2のKERA的姫ファッションを足して2で割ったような感じです。実際、1や2から流れてきた女性も多数いるようです。

この中で、今、話題になっているのが3の小悪魔ageha的姫ファッションで、通称「姫ギャル」です。ギャル色が非常に強く、一言で言えば、キャバクラ嬢をフィーチャーしたスタイルなのですが、この姫ギャルと昔、一世を風靡したガングロギャルが似ているのです。見た目に共通点はないのですが、私には白か黒かの違いに思えてならないのです。

 「ほかの雑誌で意識するのは『egg』。私が10代のころ、いきなり出てきて、あれだけ売れた。『egg』は、私にとって神様みたいな存在です。(日経エンターテインメント7月号P73より)」こう語るのは、小悪魔agehaの編集長、中条寿子氏。 eggといえば、ガングロ系を代表する雑誌ですが、中条氏がこれだけ賞賛するということは、eggに影響を受けていることは間違いありません。ガングロに何か、今の姫ギャルブームを探る手がかりがあるはずです。当時のeggも小悪魔agehaも読者参加型の雑誌で、ガングロギャルにせよ、姫ギャルにせよ、そのファッションスタイルはカリスマモデルからトップダウンで広がったものではなく、読者に近い「読モ(読者モデル)」や「ミヂカリスマ」という存在を通し、横に広がっていったものだからです。それでは、簡単にコギャルの歴史を振り返りながら、姫ギャルと比べてみましょう。


■大流行のスタイルから2年後に台頭

・2年という月日を経てガングロになったコギャル

 今では死語となったコギャル(90年代のギャルの総称)。そのコギャルのルーツはLAカジュアル、特にサーファー系にあります。コギャルの特徴として、「小麦色の肌」「派手さ」「茶髪」「肌の露出」が挙げられますが、それを最も体現していたのが沖縄出身の安室奈美恵さんです。ガングロはこのコギャルの特徴をさらに強めて、 1998年頃、生み出されたものです。小麦色の肌は黒くなり、茶色の髪はさらに脱色されて白っぽくなり、服装もバービー、ロコ(ハワイアン)、ヒッピー、ブラック系(≒ヒップホップ)などの要素を取り入れ、さらに派手になっていきます。翌年の1999年に隆盛を極め、ガングロをさらに過激にしたゴングロ、バチグロ、ヤマンバも登場し(ガングロ→ゴングロ→バチグロの順に濃くなる)、世間を賑わせました(ちなみに、美白ブームにより2000年くらいから衰退)。アムラー現象が起こった1996年がコギャルの全盛期とすると、 2年という月日をかけて、過激になっていったのですね。トレンド(コギャル)から離れていく女性がたくさんいる中(後述)、残ったコア層は、コギャルの基本要素を濃く凝縮させていったのです。

・エビちゃん系ブームの2年後に姫ギャルが台頭

 続いて姫ギャル。姫ギャルのロールモデルは浜崎あゆみさんで、 2007年に公開された映画、マリー・アントワネットが世の女性のお姫様願望を煽り、今のブームに至る、と、東京カワイイ★TVでは説明していましたが、私はエビちゃん系ファッションの一部が凝縮されたスタイルこそ、姫ギャルだと考えています。冒頭でも触れましたが、姫系というのは、2007年より前からある定番スタイルです。RayやCanCamの得意分野の1つです(JJはプリンセスという言葉を多用)。エビちゃん系はモテ系以外に、お嬢様系やお姫様系とも言われているのですが(各々に微妙な違いはある)、このスタイルが流行った背景には、不景気による就職難が理由の1つとしてよく挙げられています。お嬢様系は男性ウケが非常に良いスタイルですし、お姫様系はお姫様、つまり、玉の輿に乗りたいという願望の現われと考えることができるからです。だからモテ系(他力本願系)と言われるのですね。

 さて。2008年、現在、姫ギャルが注目されていますが、 2年前は何が流行っていたのかというと、言うまでもなく、それはエビちゃん系です。お嬢様系、お姫様系と言われるモテ志向のファッションです。発行部数を見ると、 2006年上期がCanCamの最盛期です。コギャルは2年という月日を経てガングロになりました。エビちゃん系も、ガングロ同様、トレンドから離れていく女性が多い中、一部でその特徴が凝縮されていき、姫ギャルになったと考えられませんか?元々、CanCamはティーンズのギャル系雑誌Popteenの受け皿的雑誌です(2007年のCanCam4月号の読者スナップをみると、15人中6人が元Popteen読者)。 CanCamはギャル系のファッション誌ではありませんが、読者は十分ギャルマインドを備えています。エビちゃん系の特徴である、「ふわふわ」「ひらひら」「キラキラ」「パステルカラー」「巻き髪」が濃く凝縮され、今の姫ギャルが生まれたのではないでしょうか。

・「カリスマモデル」より「読モ」と「ミヂカリスマ」

 コギャルやアムラーは安室奈美恵さんがロールモデルになっていたと思いますが、ガングロは安室奈美恵さんではなく、渋谷のストリートから自然に発生し、読者スナップで人気を博したeggが広めたものだと私は思います。たまたま、今月発売のScawaii7月号に「ガングロ同窓会開催」というページがあったのですが、「焼こうと思ったきっかけは?」という項目を見ると、「1位ガングロギャルに憧れて、2位黒い方がアルバが似合うから、 3位なんかカワイイし流行っていたので」という結果で、「身近なギャルや読モに感化されて焼きはじめたコ多数」と書いてあります。

 ガングロと同じで、姫ギャルブームというのも、六本木や歌舞伎町のキャバクラ嬢の中から自然に発生し、小悪魔agehaが広めたものではないでしょうか。浜崎あゆみさんの影響もあると思いますが、私には、浜崎あゆみさんや映画マリーアントワネットに憧れて、姫ギャル系のファッションに身を包んでいるとは思えないのです。なぜなら、姫ギャルはカリスマモデルやセレブからトップダウンで広がったものではなく、読モやミヂカリスマ(特にキャバクラ嬢)を通し、横に広がったものだからです。さらに付け加えると、彼女たちはアンチマジョリティであり、アンチモテでもあるからです。


■社会へのカウンターとアンチモテ

・ガングロは社会への反逆

 肌の露出度の高いコギャル系ファッションは、本来、男ウケを意識したものだったのですが、コギャルの中から、男ウケを考えないスタイルが登場します。言うまでなくガングロです。当時のeggの編集長は次のように述べています。「服やアクセサリーはサーファー系が源流、そこに十年前ならヤンキーになっていた層が合流した(略)ギャルファッションは、ある種の武装であり、社会への反発でもある。「女の子はこうでなくちゃいかん」という大人の価値観をひっくり返している(族の系譜学―ユース・サブカルチャーズの戦後史P334より)」。

 1996年、アムラー現象が起こったときの流行語には「アムラー」「チョベリバ」「茶髪」などコギャルの特徴をあらわす言葉が多数見られますが、「援助交際」が入っているのも見逃せないポイントです。メディアによって「コギャル≒援助交際」というイメージが世間に形成されていき、コギャルがバッシングされたのですね。この年を機に、男ウケや世間体を気にし、コギャルから離れていった層(通称白ギャル)と、本当にコギャルファッションが好きで、コギャルであり続けた層(通称黒ギャル)の2つに分かれるのですが、コギャルとして残った層は過剰なまでに身体を装飾していきます。それは、まさに男避けを兼ねた武装であり「コギャル≒援助交際」というイメージを壊したかったのでしょう。

・既存の価値観をひっくり返して日の目を見た姫ギャル

 続いてエビちゃん系。こちらもモテ系と言われるだけあり、男ウケを意識したものなのですが、当然、この中には男ウケを気にしない層がいます。その一部が姫ギャルの原点だと私は考えています。エビちゃん系は「お姉系」とも言われるのですが、これは「ギャル系のファッションを卒業したお姉さんっぽいファッション」という意味で使われています。ギャルの多くが、20歳までにお姉系にクラスチェンジするのは当たり前のことだったのです。お姉系にクラスチェンジしても、「かわいい」はなかなか卒業できず、控えめで上品だけど、どことなく、お姫様テイストの入ったかわいいスタイルになってしまうのですが、それが冒頭で触れたRay・CanCam的姫ファッションです。

 しかし、2005年くらいから、お姉系みたいにギャルを卒業しなくても、派手なままでもいいじゃない、とギャルの年齢幅が拡大されていきます。きっかけはアラサーブームです。アラサーとはアラウンドサーティ(30歳前後)の略で、コギャル世代を指す言葉です。購買力と流行を生み出す力の強いアラサーが、アパレル業界に注目され、その層に向け大人のギャル雑誌が次々と創刊されたのです。20歳以降でも読めるギャル雑誌の登場により、皆が皆、ギャルを卒業しなくたって、お姉系に、エビちゃん系にならなくたっていいんだ、別にモテなくても、控え目な姫テイストでなくとも、自分の好きな「かわいい」と「ギャル」を思いっきり追求したっていいんだ、と既存の価値観を次々とひっくり返していくのです。一部では、元々から備えていた、「ピンク」「ひらひら」「キラキラ」「巻き・盛りヘア」という「お姫様」要素を過剰に出し始めるのですが、そこに、タイミングよく2006年に創刊されたのが、従来の「ギャル×LAカジュアル」ではなく「ギャル×姫ファッション」という切り口と「キャバクラ嬢」というニッチなジャンルを押さえた小悪魔agehaなのです。

・姫ギャルはアンチエビちゃん系

 「生まれつきエビちゃんじゃなくたって私たちは努力と一緒に生きていくんだ」。昨年、話題になった 小悪魔ageha10月号 の表紙のコピーです。生まれつきエビちゃんのように男性を惹きつけるようなかわいさがなくても、他力本願ではなく、自力本願で頑張って生きていくんだ、というわかりやすいアンチモテ宣言です。独特の盛りヘアーに派手なメイク、ラインストーンがびっしりついたネイルや携帯。よく言えばクリエイティブ、悪く言えば装飾過多ですが、これは、私達はメディアに踊らされているのではなく、能動的に「かわいい」を追求している結果だ、という意思表明です。イメージがどんどん悪くなっていったコギャルの時のように、「かわいい≒エビちゃん系≒他力本願(モテ)≒メディアの情報に受動的≒スイーツ(笑)」という悪いイメージが形成されていく中、それに反発するかのように、姫ギャルは今も勢いを増しているのです。


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