現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事

明治天皇の孫、海渡り60年 ブラジルで皇太子さま対面

2008年6月21日17時58分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真皇太子さまと言葉を交わす多羅間俊彦さん=20日午後、ブラジル・サンパウロ、関口聡撮影

 【サンパウロ=島康彦】皇太子さまは20日夕(日本時間21日早朝)、サンパウロ市内のホテルで、日系人ら約50人と懇談した。その中に、約60年前、皇籍離脱してブラジルに渡った元皇族がいた。多羅間俊彦さん(79)。終戦直後の皇族首相・東久邇宮稔彦(ひがしくにのみや・なるひこ)氏の四男、明治天皇の孫だ。

 宮家のプリンスとして一目置かれる生活が、戦争で一変する。自宅は焼け、終戦直後の1947年、他の宮家とともに皇籍を離脱した。

 同じころ、知人からブラジル行きの誘いを受けた。大学でラテンアメリカ研究会に所属し、南米の自然にあこがれる気持ちもあった。「ロマンがある世界に飛び込みたかった」。コーヒー農場を経営する元外交官夫人の養子となって、51年、海を渡った。

 周囲は驚いたというが、多羅間さんは「苦労はなかったですね。希望に満ちていたから」と笑顔で振り返る。

 日系2世の女性と結婚。長男と3人でサンパウロで生活する。ブラジルでの半世紀を超える年月は「非常に豊かな人生でした」と話す。

 今回の皇太子さま訪問では、ブラジル日本文化福祉協会副会長として、準備作業にかかわった。「100周年は一つの区切り。日本側との連絡など今後も力になれることをやっていきたい」

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内