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2008-04-20

理学部数学科ではどんなことを勉強するか。

ということについて語ってるのをあまり見たことがない気がするので、試しに説明してみます。

ただ、僕は理学部数学科卒とはいえ、大学院に進むでもなく卒業後そのまま就職してしまったドロップアウト組なので、数学を正しく理解しているかというとそうでもなく、むしろ「大学のとき一番がんばったのは何ですか?」と言われたらアルバイトだったりする間抜け学生だったので、存分にまゆにつばをつけて読んでください。あと、有識者の突っ込みは歓迎します。

概ねどんなことをするのか

高校までに習うような数学の対象(:xy平面上や複素平面での四則演算や初等関数や微積分とかベクトルとか行列とか)はすごく機能豊富なものだったことを学び、それらが持っている機能のうち一そろいの一部分だけでも色々な面白い性質を持つことを学んでいきます。

どういう風に学ぶの

常に、定義->命題->証明のサイクルで学びます。定義命題証明定義命題証明定義命題証明のサイクルからしたらPDCAサイクルなど児戯にすぎないって、雷電と月光が言ってました。

具体的にはどんなことを?

僕達の学校ではまず一年生で線型代数と解析を学びました。

線型代数とは:「お前ら高校でベクトルとは矢印ですとか行列演算とか習ってたと思うけど、話は全く逆な。線形性を満たす空間の元をベクトルって言うんだわwwww あと任意のベクトル空間は適切な基底を選べば行列として表現できるっつーだけだからwwwww 矢印とか行列とかベクトル空間の一例やある種の表現にすぎないんだよwwwwww バーカバーカ!!!」

解析とは:「お前ら連続とか極限とか収束とか微分とかいい加減なこと習ってきたけど、そういういい加減な話で疑問に思わないわけ?厳密な話をちゃんと教えてやるわwwwwww あ、これがεδ(イプシロンデルタ)論法っていうのぜ。これ豆知識な。」

とかちゃぶ台をひっくり返されます。

そんで二年以降は、さらに抽象的な空間についての話になり、集合論:ちょっと一言では言えない、位相空間:開集合とは何か、郡/環:集合と集合上に定義される演算について、写像:集合から集合への変換について、多様体:ある種の図形の抽象、などを学び、ここに来て大学に入ってから学んだことをさらにちゃぶ台返しされます。「線型写像?ああベクトル空間における準同型ね。バーカバーカ!」「連続写像ってのはつまり空間に何か適切な位相を入れた上での準同型写像ですね。わかります。」

この辺りで、工学部の連中や理学でも化学/物理やらをやってる連中が、フーリエ展開して実数解を求めるとか、微分方程式を解くとか、そういう高校生が考えるような「数学」っぽいことをしてるらしいことを聞いてなんかうらやましくなります。

あ、大学の数学科では計算とかはしません。2桁の掛け算より難しい計算が試験に出た覚えはないです。そうではなくて、数学的な対象に対する形式的な証明や議論をひたすらしていきます。(計算能力はむしろ、そのような形式的な議論が例えば具体的にはどういうことを意味するのか理解するために役立ちます)

それ社会でどんな役に立つの?

僕はプログラマなんで、プログラマに対する役に立ち方しか分からないです。

本質を見極めることができるようになる

あるクラス/モジュールが他のモジュールに依存しているとして、それは本質的な依存なのか、それとも単に切り分けがうまくなされていないための依存なのかすぐわかるようになります。別な言い方をすると、ある機能は本質的にはどういう性質によって成り立っているのかを瞬時に見抜く能力を身につけることができます。あと、どれは「当たり前」でどれが「当たり前でない」のかも結構すぐ分かるようになります。

問題を部分問題に分割することができるようになる

「分割して統治せよ」はプログラミングにおいてもセオリーです。

数学においても同様で、証明を考える上で「この事実が言えればこの定理は証明できる」とかそういう具合に問題を分割するのは常套手段です。それをひたすら練習すれば、プログラムにおいても自然に問題のエレガントな分割を設計する癖がつきます。

階層化された抽象構造を構築できるようになる

定義->命題->証明サイクルは、そのすべてのステップで以前に行った定義/命題/証明を利用します。どんどん突き詰めていくと、最後には公理系が残ります。すべての数学上の議論は公理の上に構築された、階層化された抽象構造です。

公理系のような直交性の高いライブラリ階層はよいプログラムを書く上で極めて有用です。そして直交性の高さと同時に、極めて強力な機能(定理)があるのであれば、Facadeとしてそれをライブラリ階層に組み込むのも有用です。公理系の上に階層的に論理を構築する訓練は、こういう設計をうまく行うのにとても役に立っていると思います。

うまくまとまんないけどそんな感じ。

sinemansineman 2008/04/21 13:08 【暴 露】奥 菜 タ トゥ ヌ ー ドで芸 能 界 復 帰!!
“魔 性の女”奥 菜 恵が衝 撃 的な自 叙 伝を引っさげて芸 能 界に復 帰する。


http://megubakuro.blogspot.com/2008/03/blog-post.html



う わ さの押〇学とのニ ャン ニ ャン写 真を自ら認める内容に、ヌ ー ド写 真まで掲 載されている。
当 時、週 刊 誌では写 真しか掲 載されていなかったが、実は奥 菜 恵のフ ェ ラ・八 ×動 画も同じ頃に流 出していた!!


http://megubakuro.blogspot.com/2008/03/blog-post.html



一部では、本 人が流したとされた画 像。そしてその裏には映 像まで・・・・
第2の石 原真 理 子にならなければいいが・・・

ajiyoshiajiyoshi 2008/04/21 14:41 >>sinemanさん
それが本当にこのエントリに関係ありますか。
あるいは広告なんだとしても、このエントリを読みたいと思うような人が読みたいと思うような記事ですか。

TaryunTaryun 2008/04/21 14:53 私も数学科卒業ですが、このちゃぶ台返しについで行けずドロップアウトした組です。
高校数学がいかに出来ても、この洗礼を耐え抜くのは相当辛いはずです。
なんとなくついていってなんとなく卒業していった人が大半なんじゃないでしょうか。

その中でもまだなんとかなりそうな(と思い込んでいた)統計学の分野の仕事に進みましたが、そこで統計学が線形代数等を理解していないとしんどいということに気付かされ、進路を誤ったと泣きながら数学の勉強をしています。

高校3年生に是非読んでもらいたいエントリーですね。

ajiyoshiajiyoshi 2008/04/21 15:18 それは多分id:Taryunさんにしかできない仕事ですよ。
数学科から統計に進む人はそう多くないですし、Taryunさんがおっしゃるように数学科卒の全部が数学をちゃんと修めてるわけではないです。
僕も泣きながら数学を勉強してますが、それはプロとして生きるために必要なコストですよ。

takataka 2008/04/21 20:29 このエントリーを読んでquppaさんの理論展開の基本が解った気がする

ajiyoshiajiyoshi 2008/04/22 00:12 >>takaさん
つたない記事ですが、お役に立てたようでうれしいです。

butuributuri 2008/04/22 01:30 いちお大学で物理を習ってたんですが、実際、微分方程式を解けと言う問題は少ないように思います。
 物理学の表面はそういったある微分方程式を解くという内容です。しかし深く学ぶと実際にはその微分方程式数学的な抽象化がされます。そしてその抽象化によって、どういった自然現象を説明することができるか?というの考えるのが物理学だと僕は感じます。
 少し物理に関して誤解されているように思われました。解析力学という分野は数学的な線形性から発展していると思います。一度アウトラインを読まれて見ることをお勧めします。

ajiyoshiajiyoshi 2008/04/22 08:38 >>buturiさん
物理屋さんのお仕事が微分方程式を解くこととは、全然思ってないのですが、数学じゃない専攻の人から「この微分方程式どうやって解くの?数学科なら楽勝だよね?」とか言われることがままあって、でも全然解き方なんて分からないというような体験から来たお話でした。
ご紹介いただいた解析力学は気が向いたら入門書でも読んでみます。線形性から発展して力学を説明するというのは面白いですね。

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